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2012 年度 実施状況報告書

非母語子音クラスタへの母音添加の機序は言語により異なるか

研究課題

研究課題/領域番号 24520434
研究種目

基盤研究(C)

研究機関県立広島大学

研究代表者

船津 誠也  県立広島大学, 学術情報センター, 講師 (30275383)

研究分担者 藤本 雅子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, 非常勤研究員 (30392541)
今泉 敏  県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (80122018)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード子音クラスタ / 母音添加 / 非母語 / 電磁式調音運動測定装置 / 電気式喉頭計
研究概要

本年度は、EMA(Electro-magnetic Articulograph、ドイツCarsten社製)を使用して計測されたデータの規格化を試みた。各被験者の調音器官(舌、口腔等)の大きさは被験者により異なっており、特に性差、体格差の異なる被験者から計測されたデータをそのまま比較することは、適当ではないからである。規格化はX軸(体の前後方向、anterior-posterior)とY軸(体の上下方向、inferior-superior)に分けて行なった。X軸方向の規格化は各発話中の舌先の最高点から最低点を減じたもので計測値を除した。Y軸方向の規格化は各発話中の舌先の最前点から最後点を減じたもので計測値を除した。舌先の移動時間については、各音素の調音完了点間の時間を単語長で除したものを規格化値とした。これらの規格化により各被験者の比較が正確に行なえるようになった。
さらに、新しく開発された電磁式調音運動測定装置WAVE(カナダ、AURORA社製)により子音クラスタ発話時の調音運動を日本語話者3名、英語話者3名において予備的に計測した。このWAVEはEMAに比べて測定前の装置の較正が容易(EMAが較正に半日から一日要するのに比べ、WAVEは30分程度で完了する)であることが特徴である。得られた測定結果はEMAと比較して遜色ないものであると考えられ、次年度以降WAVEによる計測を行なう予定である。電気式喉頭計による声帯振動の計測も行なったが解析は次年度に行なう予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

EMA による調音運動計測データから、子音クラスタ調音時の調音器官(舌、唇、顎)の運動データを収集した。子音クラスタを構成する第1 子音の調音点から第2子音の調音点への舌等の移動時間および変位を中心に計測を行ない、得られたデータを解析し、データの規格化を行なった。
EMAよりも測定前の準備が簡便なWAVEを試用し予備的計測も行なった。WAVE 計測と同時に子音クラスタ発話時の声帯振動計測(EGG)を行ないデータを収集した。WAVEにより得られたデータは現時点までの解析では、EMAにより得られたデータと質的に遜色ないと思われる。EGGデータの解析は次年度に持ち越すことになったが、それ以外の点についてはおおむね計画通りに推移している。

今後の研究の推進方策

予備的実験の結果を踏まえ、EMAに代わりより測定が簡便なWAVEによる計測を行ないデータ数を増やす予定である。さらにWAVE計測と同時に電気式喉頭計による声帯振動の計測を行なう。WAVEデータと喉頭計によるデータの同期を行ない、声帯振動と舌の運動との関係(タイミング制御)を明らかにする。舌の調音運動と声帯振動から子音クラスタへの母音添加の機序を明らかにする。得られた結果を国際会議等で発表する予定である。

次年度の研究費の使用計画

新しく開発されたWAVE測定装置を使用したことにより、装置使用料、消耗品等の額に差が生じたために次年度繰越額が発生した。この繰越額を使用し被験者数を増やす予定である。
音響系の学会International Congress on Acoustics (ICA)、カナダ、モントリオールにて研究発表を行なう予定である。旅費約30万円。
言語学系の学会International Congress of Linguists (ICL)、スイス、ジュネーブにて研究発表を行なう予定である。旅費約40万円。
WAVEによる調音運動の計測を行なう予定である。WAVE使用料及び消耗品費約30万円。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Mechanisms of vowel epenthesis in consonant clusters: an EMA study.2012

    • 著者名/発表者名
      Funatsu, S. & Fujimoto, M.
    • 雑誌名

      Acoustics2012

      巻: 1 ページ: 333-338

  • [雑誌論文] How consonants, dialect and speech rate affect vowel devoicing?2012

    • 著者名/発表者名
      Masako Fujimoto, Seiya Funatsu, Ichiro Fujimoto.
    • 雑誌名

      Proceedings of Interspeech 2012

      巻: 1 ページ: 4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EMA 計測値のnormalization の検討 -子音クラスタ調音時の舌運動について-2012

    • 著者名/発表者名
      船津誠也、藤本雅子
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: sp2012-89 ページ: 59-64

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公開日: 2014-07-24  

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