本研究では、東北方言の子音の特徴とされるカ行・タ行子音の有声化、ガ・ザ・ダ・バ行子音の(前)鼻音化、及び母音と子音の無声化の各現象が、現在の東北地方でどの程度見られるのかを検証するため、三つの年代(少年層、中年層、高年層)から方言音声を収集し調査を行った。 その調査から、子音の現象については今も中高年層に観察されるが、少年層についてはガ行鼻濁音を除いてほとんど見られなくなっていることがわかった。このことから、これらの子音の現象はあと半世紀もすれば東北方言から消失してしまうのではないかと予想される。
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