研究課題/領域番号 |
24520444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山本 勝巳 流通科学大学, 商学部, 准教授 (40249818)
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研究分担者 |
山本 誠子 神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (90269879)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 音声知覚 / 日本人英語学習者 |
研究概要 |
本研究では日本人英語学習者のリスニング過程について,特に単語境界の知覚に関与する音響的・心理言語学的手がかりを捉えなおすことを主たる目的としている。音響特性を変えたビープ音・母語・英語を用いた複数の聴取実験によって日本人英語学習者の単語境界切り出しの手がかりについて考察するものである。 初年度は,英語話者発話データベース音声とビープ音・日本語の無意味語を用いた3つの実験を進める計画であった。まず実験1で,英語話者の発話データベースからの抜粋を日本語母語話者に提示して,彼らがどこに区切りを知覚するか検討する予定であった。しかし当初利用を想定していた発話データベースが担当者との連絡途絶により利用できなくなったため,急きょ別素材の利用を余儀なくされた。最終的に利用することにしたのはVOA Special Englishの英文素材であり,これをHOYA GlobalvoiceEnglish 3によって毎分100語の発話速度設定で合成した男性声・女性声のものを素材として利用することとした。 当初合成対象とした125文に対してユーザによる評価の高い音声認識プログラムであるDragon Dictationによる書き起こしを行い,意図通りに聞き取れない文章を削除し,計109文を作成した。練習用音声とともに,5秒間隔で再生される聴取実験用音声データ2セットを作成した。初年度については,データベースの利用が不可になったことで代替案を立案するのに手間取り,ここまでで終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上にも書いた通り,データベースの利用が不可になったことで音声素材だけでなく,その元となる文素材とあわせて準備する必要が生じたため,予想以上の遅れが生じている。所属学会の年次大会の準備に多大な時間をとられたことも一因ではある。
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今後の研究の推進方策 |
当初はビープ音や母語である日本語の無意味語を用いた聴取実験も計画していたが,今回用意した英文素材中の単語を並べかえて作成した無意味文を利用することで,実験3までの課題はある程度検討できるものと考えている。今年度予定していた実験4, 5ではアクセントパタンと親密度によって,日本人英語学習者のリスニングにおける単語切り出しがどの程度影響を受けるか検討する目的であったが,これについても同一の方法でなくても今後の実験結果解釈に統語分析を加えることで比較できると予測している。
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次年度の研究費の使用計画 |
今後の聴取実験に利用する合成音声の品質を上げるために音声合成プログラムの新規購入を予定している(物品費)。旅費についてはほぼ計画通りで想定している。謝金等の部分は物品費の増加分に対応してボランティアの協力者を増やすことで申請金額の削減を意図している。学会運営に関する事務負担は例年通りに戻す予定である。
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