研究課題/領域番号 |
24520445
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研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
古木 誠彦 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (90341297)
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キーワード | 昭王期金文 / 異体字 |
研究概要 |
本年度においては、当初の計画通りに前年度からの「昭王期金文の調査」を継続しながら、昭王期金文(銘文内容)の確定と時代の近似性について、より詳細に研究を行った。 前年度に研究基礎資料とした『西周青銅器銘文分代史徴』『西周青銅器銘文選』『殷周金文集成』『西周青銅器銘文キ図象集成』の精査から、時代区分の不一致についての検証を行い、ある程度の時代設定を行った。 しかしながら、25年度は、これらの基礎資料書籍に加え、中国国家事業の夏商周断代行程報告書である『西周青銅器分期断代研究』(文物出版社)に対する検証的論文が中国国内で多数発表され、その内容確認に時間を多く割いた。 初年度から継続の『昭王期金文字書』作成も行っているが、異体字に関する取り扱いについて多少の論的疑念があるため、制作に予想以上の時間が掛かっている状態である。この異体字解釈は、『周禮』内容に関係するものと思われるので、より慎重に行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年においては、想像以上に中国国内の研究者から『西周青銅器分期断代研究』に関する批判的な検証がみられ、その論の確認に時間を割いていることが、最大の原因である。 しかし、それだけ現在注目されている研究課題であるため、研究者自身が新たな研究見解もできるであろうと考える。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね研究計画は遂行されていると考えるが、上海博物館・故宮博物院等を中心とする実地研究と、論文検証を継続していく予定である。 また、異体字に関しては、引き続きより明確な検証を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究初年度における国外研究が、中国国内の抗日運動の影響で実施できなかったのが、最大の理由である。 26年度の研究において、中央研究院歴史語言研究所(台湾)・台北故宮博物院・上海博物館等で、数回、実地研究を行う予定である。 特に、中央研究院においては、同院研究者に、現在行っている研究内容についての意見聴収と現在中国国内で議論になっている(西周青銅器に関する)ポイントについて、より明確な意見を聞き、研究のまとめとして情報収集を行う予定である。
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