本研究では,熟練ガイドなどの対話熟練者の対話戦略をモデル化するため,ある談話のまとまりを,話者らが何を基盤化しようとしているのか,を定式化できるような貢献トピックとして整理し,談話全体を階層的な基盤化ネットワークで表現することを試みた.下層のネットワークの基盤化が達成されることで,より上層のネットワークにおける状態が遷移し,最上位のネットワークが終了状態に至れば,対話全体の基盤化が達成され,対話の目的が達成されるモデルとなっている.これをガイドと旅行者の対話97対話に適用した結果,18種類の貢献トピックが抽出され,複雑なネットワークとして表現された.これを,話し合いデータにも適応を試みた.
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