研究課題/領域番号 |
24520453
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 博人 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (20114796)
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キーワード | 現代スペイン語 / 語彙バリエーション / 中世スペイン語 / 文字 / 音韻 |
研究概要 |
広域スペイン語語彙バリエーション研究における新しい数量化の方法を開発した。各種多変量解析法(クラスタ分析、因子分析、主成分分析など)と独自の「集中分析法」をExcelVBAでプログラム化し、これを論文発表した。プログラム手法として、入力行列を受け取って、処理行列を返す関数を各種用意し、これを使って、従来複雑になりがちだったコードを簡略化することを目指した。線形代数の技法を応用した。分析プログラム(数量分析プログラムおよび地図作成プログラム)を、王立アカデミーのウンベルト・ロペス・モラレス氏から提供されたアメリカ大陸スペイン語語彙バリエーション資料に適用し成果を得た。 関連学会で、現代スペイン語言語分析プログラム 、および、中世スペイン語の文字・音韻研究を行った。現代スペイン語言語分析プログラム開発では代表形抽出と文法情報付加のための処理を、適切な規模の辞書と文法規則を変数化し、プログラムの基本部を変更せず、パラメータを積み上げていく方法で分析精度を向上させた。マドリード自治大学の研究チームと協力した。 中世スペイン語の文字・音韻研究では中世スペイン語の手稿文書を文字化・コード化し、その規則性と各種パラメータ(年代、地域、文書タイプ)との関係を探った。具体的には単語の略記法、子音連続、とくにスペイン語固有文字(エニェ)の成立過程を調べた。単語の略記の仕組みと字形の分析において、構造的音韻分析法を応用した。アルカラ大学、サラマンカ大学、科学研究最高審議会の研究チームと協力した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テキスト分析、数量分析、地図作成のためのプログラムを完成した。
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今後の研究の推進方策 |
マドリード自治大学の研究チームと協力し、これまでに開発してきたExcel VBAプログラムをウェブ上で実行するために移植する。アルカラ大学の研究チームと協力し、開発したウェブプログラムを中世スペイン語語彙研究に応用する。 2014年6月上旬、マドリード自治大学の研究チームと東京で研究打ち合わせをする。われわれが開発したPHPプログラムとマドリード自治大学の研究チームによるデータベースの合体を試みる。 2014年6月下旬、および9月にアルカラ大学の中世スペイン語文献調査研究と協力し、ウェブサイトで言語分析を可能にするプログラムの最初のバージョンを完成する。
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