当初は、「方言矯正」世代は軍政期までに教育を受けた経験のある世代と設定していた。人々の中に戦争と方言矯正を結びつける言説が存在し、2010年に奄美教育会館で発見した史料がそれを裏付けたからである。本研究は、学校での方言矯正を経験した世代の言語意識について聞き取りをすること、そして奄美教育会館の損傷の激しい史料の保全をはかることを目指した。調査の中で、同様の経験が下の世代にも引き継がれていることがわかった。方言矯正は敗戦から軍政期後も続き、1970年代まで、程度の差こそあれ矯正があった。戦争と「標準語教育」は結びつけられたが、戦後も同じ手法で奄美語への抑圧が行われたことがわかった。
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