研究課題/領域番号 |
24520458
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
中山 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (40401426)
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研究分担者 |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)
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キーワード | 国際情報交換 / 危機言語 / 記述言語学 |
研究概要 |
オハイアット・ヌートカ語は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州南西部バンクーバー島西岸地域で話されている少数言語で、話者数は数十人ほどの高齢者に限られるという、典型的な「危機言語(消滅の危機に瀕した言語)」である。本研究では、オハイアット・ヌートカ語を使用しているコミュニティーで行う現地調査を軸として、研究代表者および研究分担者がすでに保有している既存の言語データベースをさらに拡充すると同時に、実際の言語使用場面における言語運用データの分析に基づく言語構造の記述を目的とする。さらに、自然談話データから得られた用例を多く盛り込んだ辞書の編纂をすすめる。 研究第2年度目である今年度は、新たなデータ分析や現地調査で得られたデータを既存の言語データベースに加えることによってデータベースの拡充を図りながら、文法分析および文法の記述を進行させた。また、辞書の編纂に使用するソフトウェアツールおよびエントリー項目・構成などの仕様を策定し、実際のエントリーを含んだ試作版を試験的に運用しつつ仕様の調整を図った。7月30日から8月27日の日程で、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島ポートアルバーニにて現地調査を行った。現地調査においては、語彙調査、テキストデータの収集・書き起こしに加え、現地コミュニティーおよびヌートカ語話者の協力のもと、言語データ分析結果の検証と文化・社会的補足情報の収集・記録を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
将来的な汎用性と現地コミュニティーでの幅広い利用を考慮に入れた文法記述・辞書の仕様を策定し、データの拡充を図りながら試用を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度に向け、データベースのさらなる拡充、データ分析および記述を進めていく。夏期には現地調査を行い、語彙調査、テキストデータの収集・書き起こし、および言語データ分析の検証、補足情報の記録を進める。さらに、蓄積した文法記述を総括し、辞書データとともに研究資源として整える。
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次年度の研究費の使用計画 |
成果発表準備のため 最終年度としての成果発表のための経費
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