研究課題
オハイアット・ヌートカ語は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州南西部バンクーバー島西岸地域で話されている少数言語で、話者数は数十人ほどの高齢者に限られるという、典型的な「危機言語(消滅の危機に瀕した言語)」である。本研究では、オハイアット・ヌートカ語を使用しているコミュニティーで行う現地調査を軸として、研究代表者および研究分担者がすでに保有している既存の言語資料データベースをさらに拡充すると同時に、実際の言語使用場面における言語運用データの分析に基づく言語構造の記述を目的とした。さらに、自然談話データから得られた用例を数多く盛り込んだ辞書の編纂をすすめた。研究第3年度目である今年度は、7月30日から8月23日の日程で、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島ポート・アルバーニにて現地調査を行った。現地調査においては、新たな語彙調査、テキストデータの収集・書き起こしに加え、現地コミュニティーおよびヌートカ語話者の協力のもと、これまで集録した語彙エントリーおよび言語データ分析結果の検証と文化・社会的補足情報の収集・記録を行った。こうして得られたデータを既存の言語データベースに加えることによってデータベースの拡充を図りながら、文法分析および文法の記述をさらに進行させた。また、ウェブでの公開に向けて、辞書の仕様の最終調整を図った。
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Michael Fortescue, Marianne Mithun, and Nicholas Evans (eds.), Handbook of Polysynthesis. Oxford University Press
巻: 1 ページ: xx-xx
西井凉子編『人はみなフィールドワーカーである:人文学のフィールドワークのすすめ』東京外国語大学出版会
巻: 1 ページ: 36-55