研究課題/領域番号 |
24520459
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
斎藤 純男 東京学芸大学, 留学生センター, 教授 (10225740)
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研究分担者 |
井上 治 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (70287944)
孟 達来 島根県立大学, 総合政策学部, 助手 (40609913)
高木 小苗 早稲田大学, 文学学術院, その他 (70633361)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モゴール語 / アフガニスタン / モンゴル語 |
研究実績の概要 |
ダリー語・ハザーラ語等、現地の言語に詳しい研究協力者の協力のもと、録音資料に含まれるモゴール語の単語と文を音形・意味・文法の面から把握し記述する作業を行なった。 本研究で使用した新発見の録音資料において、これまでに記述されているモゴール語と異なった意味を持つモンゴル語系の語彙があること、周辺諸言語との接触によって生まれたと考えられるいくつかの独特の表現が発達していること、同じ概念を表す語が話者によって異なっている場合があること、などの現象を新しく確認した。今後、新たなモゴール語録音資料が発見される可能性が小さいことから、これらはこの言語に関するほぼ最後となる一連の新知見をもたらし、大きな意義を持つと考えている。得られた言語データは、モゴール語の単語や文のデータベースを作成するための重要な基礎的資料となる。 また、録音資料において、モゴール語を語っているコンサルタントの一部はダリー語ではなくハザーラ語を話していることを新たに確認した。ハザーラ語はモンゴル系およびテュルク系の言語の影響を受けた(もしくは、モンゴル語が基層となった)ペルシア語の一方言である。服部四郎がモゴール語を知るためには彼らが話すペルシア語を知らなければならないと書いているが、服部が言うところの、彼らが話すペルシア語とはこのハザーラ語のことである。本研究の成果のひとつとして、一部のモゴール人がハザーラ語を用いていることを明らかにしたことにより、今後のモゴール語研究においては、ハザーラ語を視野に入れる必要があるということも分かった。
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