研究課題/領域番号 |
24520464
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 真由子 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (20389563)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会言語学 / 語用論 / インドネシア |
研究実績の概要 |
本研究は、バリ言語社会の「多数派」であるバリ語平地方言話者によるバリ語とインドネシア語のコード混在についてすでに私が行った記述・分析を根幹として「少数派」、つまり近年増加しているインドネシア語をより多用する若年層のバリ語平地方言話者とインドネシア語と平地方言の干渉を受けつつあるマイナー方言のバリ語山地方言話者にも調査対象を広げ、バリ社会の会話コーパス構築を主な目的としている。平成26年度は、前年度に引き続き、山地方言の会話を収集・記録しながら、平地方言との大きな違いの1つである山地方言の敬語に注目し、調査研究を行った。 現地調査は2回行った。まず、平成26年9月におよそ2週間のバリ現地調査を実施した。主に、山地方言使用地域であるバリ州ブレレン県プダワ村で、敬語表現が唯一現れる人称詞・呼称、そして敬語使用の背景となるプダワ村の社会構造や親族体系などを調べた。2回目は、平成27年2月におよそ10日間、同村を中心に調査を継続した。また、2回とも現地のウダヤナ大学と国立言語研究所デンパサール支所の研究者と、インドネシア語やバリ語を含む諸地方語および言語に関わる文化・社会・政策などについて議論し、意見交換を行った。 平成26年11月開催の日本インドネシア学会で、上記のバリ語山地方言の敬語表現に関する調査内容を一部発表した。現在、それを論文化しているところであり、同学会の雑誌に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、バリ言語社会で見られる主要なタイプのバリ語会話コーパスの構築を主な目的の1つとしている。タイプの1つであるバリ語山地方言地域を中心に、数はまだ十分ではないものの、会話を収集し、記録を進めている。さらに、その過程で、バリ語平地方言と山地方言の違いに関わる現象にも注目し、考察している。したがって、おおむね順調に進展していると言ってよい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの主な作業、すなわち、バリ言語社会で見られるバリ語会話を収集し、記録することを継続する。そして、各主要タイプの会話に認められるコード混在を考察し、その間の比較検討をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込みと執行額が異なった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画に変更はなく、前年度の研究費を含め、当初の予定通りの計画を進める。
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