研究課題/領域番号 |
24520467
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗林 裕 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30243447)
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キーワード | ハラジ語 / トルコ語 / イラン / トルコ / チュルク諸語 / 国際情報交換 / 言語接触 / 言語類型論 |
研究概要 |
研究の概要: 本研究はイランのチュルク語系の極小言語であるハラジ語の音韻および文法について調査を行うことにより、言語記述とその理論的な意味合いについての分析を行い、この言語の実態を明らかにすることを目的としている。 研究の意義と重要性: ハラジ語はイランのテヘラン南部の山岳地帯で話されている言語であるが、すでに若年層は公用語であるぺルシア語に移行しており、話者は中高年層の一部に過ぎない。この言語の特筆すべき点は、系統的に周辺のチュルク語南西グループに属しておらず、チュルク語の古い形式を保持しているといわれていることである。このことは、言語史や言語接触の観点から非常に注目されており、現状の調査と分析が急務である。本研究は、海外研究協力者との共同作業や文献資料の収集と分析により遂行される。 本年度は引き続き、現地調査により収集したハラジ語の基礎語彙についての音声資料の整理と記述を行なった。またオーストリアのウィーンにおいて関連文献の収集を実施し、トルコで開催された国際学会において現時点での研究成果の発表を行った。本年度の具体的な研究内容は以下の通りである。1、調査項目の整理と記述 4月~8月 2、オーストリア・ウィーンでの資料収集 8月 3、イスタンブール大学主催 第5回チュルク学国際会議での成果の発表、4、トルコ・エスキシェヒール県主催チュルクロジー国際会議での成果の発表 11月 5、調査資料の整理と分析と研究論文の作成 12月~3月
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究実施計画として以下のような項目を年初に掲げた。 1、平成24年度に得られた資料に基づき論文を執筆 2、第5回チュルク学国際会議(開催地:トルコ イスタンブル大学)での研究成果の発表 3、イラン・テヘラン南部にて約2週間の現地調査 4、フランス国立図書館での資料収集 5、トルコの国際学術雑誌への研究成果の投稿 6、平成25年度の調査結果およびハラジ語の概要についてインターネットへの公開 このうち、2)は予定通り実施し、3)の現地調査は諸事情により実施できなかったが、4)はオーストリア・ウィーンに変更することで資料収集を実施し、5)は欧州出版社に論文を提出し、現在査読中である。また、関連論文の執筆と応募や研究成果の発表も行った。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画として掲げていた項目4の「ハラジ語の将来への展望」に関しては、全調査が終了後に全体像が明らかになるため、最終年度に着手する予定である。また、項目5の「研究成果の迅速な公開と社会的還元」に関しては、インターネットによるメディア配信を予定しているが、サーバー等の確保など費用的な問題点を解決する必要がある。さらに、現地調査に関して、査証の発給状況が流動的であり、現地調査で母語話者の調査が出来ないことに備えて、文献調査によりそれを補うことも研究遂行の方策の一つとして視野に入れている。
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次年度の研究費の使用計画 |
諸事情により、イランでの現地調査が実施できなかったことによる。 当該年度に実施できなかったイランでの現地調査を次年度に実施する予定である。 査証の取得が流動的であるため、それがかなわない場合は、海外での研究成果の発表、資料収集のための渡航費とする。 また研究成果公開に必要なソフトウェアや機材等の消耗品や備品の購入のために使用する。
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