研究課題/領域番号 |
24520475
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
堀田 英夫 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90128637)
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研究分担者 |
ガルシア アナ・イサベル 東京大学, 教養学部, 准教授 (20584072)
川畑 博昭 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50423843)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 法言語学 / 憲法 / ペルー:スペイン / スペイン語 / 言語接触 / 専門用語 / 比較憲法 / 人民主権原理 |
研究概要 |
ペルーおよびスペインの法律を言語学的に研究するために、各分野の法律の基となる憲法を、この両国を含むスペイン語を公用語とする諸国の憲法を、日本国憲法の準公的なスペイン語訳も含め、国会、行政の長、司法の基本的な用語を比較分析した。 ペルースペイン語の音声、語彙、統辞の特徴について調査分析した。現地調査の結果、他動詞文を使役文として表現する統辞特徴が見出された。これは先住民言語ケチュア語との接触によって誘導された変化と考えられる。 また比較憲法学の観点から、日本とイベリアとの異なる文化の接触により、日本における16世紀以降の人民主権原理(抗議性・抵抗の姿勢)の歴史的源泉がイベリア(例えばラス・カサスの思想)にある可能性を見い出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していたペルーとスペインの民法、刑法について分析、検討する以前に、平成24年度は、すべての法律の基となっている憲法を汎スペイン語圏を視野に入れ検討し、また、まだ研究の遅れているペルー・スペイン語の地域特徴を調査、分析した。また、近代成文憲法の基である人民主権原理の伝播を検討した。これらは、当初計画していた分野以前の基礎的な部分の調査・研究であるため、「おおむね順調」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度の研究実施計画で予定どおり進めることができなかったペルーやスペインでの資料収集をおこなう。平成24年度に実施したスペイン語圏諸国憲法条文に使われている用語と各地域の日常語との比較をさらに進めるため、法律レベルでの用語や言語についての記載を比較分析する。ペルー・スペイン語を先住民言語(ケチュア語)との影響を視点に入れ、法律にかかわる文章や口頭表現を語彙、統辞、ディスコースなどの面の分析を進める。 平成26年度の研究実施計画 収集した資料を対象に、法律分野で用いられる文章や口頭表現の分析を進め、これまで扱うことのできなかった分野での分析をし、研究方法を含めた検討と言語学的分析を体系化することにより総合する。国外外で開催される学会での成果発表を行う。学術雑誌に論文として公刊するとともに、著作にまとめ公刊することを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
ペルーやスペインでの資料収集のための旅費、研究組織が集まり学会出席のための国内旅費、資料整理用のパソコン、関連分野図書、コピー代等文具代に使用する。
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