研究課題/領域番号 |
24520475
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
堀田 英夫 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (90128637)
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研究分担者 |
ガルシア アナ・イサベル 東京大学, 教養学部, 准教授 (20584072)
川畑 博昭 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50423843)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 法言語学 / 憲法 / ペルー:スペイン / スペイン語 / 言語接触 / 比較憲法 / 公用語 / 法助動詞 |
研究実績の概要 |
在日スペイン語話者の多くがペルー出身者であるという現実的要請に鑑み、法の諸領域にわたる法律スペイン語をペルーのそれを中心に据え、言語学的分析を行うという研究目的に関して、2014年8月にペルー国ラ・リベルタ県の高等検察庁において、裁判等の記録を収集し、言語分析を行った。この成果は、今年刊行予定の書籍の一章等で公開する。 特定領域(法律分野)スペイン語教育に対する理論的基礎として、スペイン語を公用語としている21か国の内、憲法に公用語規定のない、アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、プエルトリコ、メキシコにおいて、そして比較の意味で日本において、法律レベルでどのように「公用語」が規定されているかを調査した。プエルトリコとメキシコは、国の公用語を規定する法律を持っている。その他の国々は、司法の場面や教育などを規定する個々の法律の中で、そのような公的場面での公用語を規定している。 憲法学の観点からは、ペルー共和制史にとっての「立憲主義」概念を考察した。スペイン語圏でのこの用語の概念規定と使用法を明確にしつつ、ペルーにおける「立憲主義」の歴史的文脈を「統治」と「経済」の2つの領域からつかみ出した。この2つの領域の存在自体がペルーにおける憲法の歴史を指し示すが、両者に貫かれているのは、国内の権力構造のみならず、国家間の格差構造への抗議的意味合いである。これは、講学上の概念としての主権論にほかならない。ペルーの国家史に見出せる「人民による権力」と「それに基づく憲法」との〈一体的かつ統一的把握〉の可能性は、理論的には「権力制限の論理」としての従来の「立憲主義」概念の把握の再検討を提起した。 これに言語面からの検討の基礎として、法言語学の先行研究への吟味を含め、アメリカ合衆国憲法の法助動詞と日本国憲法における表現効力について、スペイン語版における命令の意味の未来形を対比させ定量的比較をした。
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