本研究は広がりと深化を見せる日本語デジタルコミュニケーションに関して、これまで分析されてこなかった高齢者のオンライン上の言語行動を諸外国でも例のない高齢者男女によるブログ記事の分析から以下が判明した。デジタルメディア特有の絵文字、顔文字の使用に関して顕著な傾向がみられ、若年女性を筆頭に利用頻度が高く、高齢女性が次に続き、男性は両年代共に低い利用傾向であった。また絵文字は「かわいい」というイデオロギーを具現する、使用者のアイデンティティ構築と強く拘わることを明らかにし、また高齢者のユーモアに関しては自虐ユーモアが共感を誘うことから、和を尊重する伝統的価値観に根ざしていることを示した。
|