研究課題/領域番号 |
24520483
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
山口 真佐夫 摂南大学, 外国語学部, 教授 (00191239)
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キーワード | スラウェシ島南部の地域語 / スラウェシ島の語群 / 地域語研究 |
研究概要 |
平成25年度は、4月から8月にかけてインドネシア共和国、ジャカルタ市にある国家教育省、言語建設・発展庁の事務局長Yeyen Maryani女史、南スラウェシ州マカッサル市にある南スラウェシ・西スラウェシ州言語研究所所長Adri氏、中スラウェシ州言語研究所所長Zainab氏、国立ハサヌッディン大学文化学部教官Nurhayati女史、国立タドゥラコ大学教官Ferry Rita氏とメールで打合せを行った。 8月26日に出国し、南スラウェシ州マカッサル市では、南スラウェシ・西スラウェシ州言語研究所の新たな刊行物の調査・収集を行った、また地域語関係の民間出版物を収集した。さらに国立ハサヌッディン大学では同大学教官と意見交換を行った。中スラウェシ州パル市では、中スラウェシ州言語研究所の出版物の調査・収集を行う。今回は現地研究所の新たな刊行物、現地研究者による新たな研究報告書を入手することができた。また、パル市にある国立タドゥラコ大学での研究状況の調査を行い、同大学の研究者と意見交換を行う。さらに同大学の求めに応じて講演を行う。講演の第二部ではPalu dan Proyek Penelitian Bahasa Daerah(パルと地域語研究計画)というテーマで同大学教官・院生・学部生に、科研費による地域語研究の重要性について話をした。ジャカルタでは、国家教育省、言語建設・発展庁、国立ジャカルタ大学を訪問し、調査・収集を行った。9月13日に帰国する。 上記の現地研究機関、研究者訪問を通して収集した資料・情報は、学会および学術雑誌を通して発表した。さらに研究代表者、(国内の)研究協力者、現地研究者の論文を集めた論集2冊を国内外の研究と編纂し出版した。現時点で論文2本を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、本研究の対象地域であるスラウェシ島中・南部の南スラウェシ州、西スラウェシ州、中スラウェシ州、東南スラウェシ州の4州中、本研究の中心になる南スラウェシ州および中スラウェシ州における現地研究機関の研究状況、出版物の調査・収集を目的に現地を訪れた。 南スラウェシ州では南スラウェシ・西スラウェシ州言語研究所、国立ハサヌッディン大学、民間出版物を収集することができた。中スラウェシ州では中スラウェシ州言語研究所の出版物の調査・収集を行った。さらに現地の研究者と意見交換を行うことができた。さらに、ジャカルタ市では国家教育省、言語建設・発展庁、国立ジャカルタ大学を訪問し、調査・収集を行った。 平成25年度は中スラウェシ州においての資料収集で集めた研究資料が論文、研究発表にいかされ、さらに対象地域で講演を行う、研究成果を集めた論集が2冊刊行されるなど順調であった。 平成25年度の成果は、編・共著書を2冊刊行される、学術雑誌に論文1本が掲載される、学会・研究会で発表が3回行われる、講演が1回行われた。なお、現在論文2本投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度までの成果から見て、平成26年度は本研究の拠点となるインドネシア共和国の南スラウェシ州マカッサル市、ウォトゥ・ウォリオ語群、ムナ・ブトン語群の言語が分布している東南スラウェシ州のブトン島、また同島の言語研究の中心地であるクンダリ市、およびジャカルタ市を訪れる予定である。南スラウェシ州マカッサル市では、言語研究機関以外にこれまで調査を行っていなかったマカッサル国立大学の修士、博士論文の調査を行いたい。ブトン島では中心都市であるバウバウ市を訪れ資料収集を行いたい。またブトン島を含め東南スラウェシ州の言語研究の中心地である州都クンダリ市の東南スラウェシ州言語部、ハルオレオ大学等で研究資料集、現地研究者と意見交換を行う。可能な場合はマレーシアでの追加研究を行う予定である。 上記の方策によって得られる研究資料に基づき、随時論文執筆、著書・編著の刊行、研究発表を行う予定である。なお、26年度中に(限られた研究者との共著で)対象地域全体の言語状況についても著書、現地研究者の論文を集めた論集の出版のための準備を始める。 平成27年度の研究については、それ以前の3年間の研究状況に応じて必要な地域の研究・調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、夏期休業期間中に行われた海外渡航期間が学務のため短期になり、インドネシアのジャカルタ、マカッサル、パルのみとなった。また夏期あるいは春期に行う予定であったマレーシア渡航ができなかったために残金が生じた。 平成26年度は、インドネシアのジャカルタ、マカッサルおよび東南スラウェシ州のブトン島とクンダリ市と訪問予定地が前年度より増えるため、またマレーシアも訪問を予定していることから平成25年度の残額はそれらの使用する予定である。
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