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2012 年度 実施状況報告書

ネパールのメチェ語の文法記述分析・ドキュメンテーションとボド語西部方言の調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520485
研究種目

基盤研究(C)

研究機関美作大学

研究代表者

桐生 和幸  美作大学, 生活科学部, 教授 (30310824)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードメチェ語 / ドキュメンテーション / 記述文法
研究概要

24年度は、前半をこれまでの研究で積み重ねてきたデータの整理を行い、Kiryu (2008)の文法書に不足する項目を挙げ、9月以降の調査項目を吟味した。その成果の一つとして、メチェ語の存在動詞が助動詞として用いられた場合の用法について整理し、9月に行われた18回ヒマラヤ諸言語シンポジウム大会において口頭発表を行った。
今年度は、特に他動性にかかわる項目として、自動詞と他動詞のペアリストの作成を行った。約6000語の語彙項目XMLデータベースから、動詞を抽出しリスト化し、それについて、インフォーマントに直接意味を確認しながら、自動詞と他動詞の対応関係を明らかにする分析を行い、形態的な自他対応の類型を同定し、メチェ語では、他動詞化が優勢であり、ついで、自他同形の二つのパターンがみられることが明らかになった。
並行して、主協力者にICレコーダーの協力のもと、録音を行ってもらい、データを集めた。9月に現地協力者の支援のもと、録音したテキスト(社会規範についての話)の書きお越しを行い、それについての分析を行った。予定では、さらに特定のテーマについての録音を行う予定であったが、協力者の都合により、集落への訪問を3月に延期し、これまでのデータ分析をおこなった。現在、ELANに音声データと形態素解析データとを入力中である。
3月には、1週間集落においてテキストデータの収集にあたった。今回は、薬草についての話、メチェの歌および日常会話の録音を行い、現在それをELANに入力しデータを解析している最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

文法項目の分析については順調に進んでいる。しかし、主要インフォーマントの事情により、集落での調査期間が十分に取れなかったため、ドキュメンテーションのためのデータ収集と集落ごとの音声表の作成が遅れている。この遅れの分は、25年度の夏の調査で挽回する予定である。

今後の研究の推進方策

25年度は、当初計画通り夏までに前年度に集めたデータをELAN上に整理し、文法項目でこれまで見落としているものがないかを検討する。そこで明らかになった項目については、夏の調査でインフォーマントからの聞き取り調査で用法などを詳細に調べる。また、24年度に十分に収集できなかった儀礼についての話を録音し、ELANに展開する。
25年度は、新たにドキュメンテーションの対象として、農耕や狩猟についての話、動植物薬草についての話を録音・録画し、ELAN上でアノテーションを付ける作業を行う。また、同時に名詞化節およびテンスアスペクトについて詳しい調査を行う。2月から3月にかけての調査では、西ベンガル州からアッサム州の集落を訪問し、語彙対照表に基づく録音を行い、音声的な対照表を作成し、それによりメチェ語とボド語の音韻的な違いを詳しく調べる。
26年度は、これまでのデータをアーカイブとして活用できる形態に整える作業を行う。具体的には、アノテーションデータをウェブ上で閲覧できるようにシステムを構築する。また、これまで明らかになった文法項目について成果発表を学会や学会誌で行う。

次年度の研究費の使用計画

24年度は、インフォーマントの事情により儀礼関係のドキュメンテーションを十分に行うことができず、謝金が余った。25年度は、24年度の残金をこの儀礼のドキュメンテーションに充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The Semantics of the Existential Verb as Aspectual Marker in Meche2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Kiryu
    • 学会等名
      18th Himalayan Language Symposium
    • 発表場所
      Banaras Hindu University, India
    • 年月日
      20121010-20121012

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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