本研究では、ネパールでの現地調査によりネパール北西部ドルパ郡ティチュロン地方で話されている二言語、カイケ語とチベット語ティチュロン方言(どちらもチベット=ビルマ語族に含まれる言語)それぞれの記述研究を進展させた。また、両者の間の言語接触の結果と思われる痕跡がそれぞれの言語にどの程度存在するか、お互いが他方にどのような影響と変化をもたらしたか解明を進めると共に、カイケ語、チベット語とタマン諸語との歴史的関係、及びカイケ語とその他のヒマラヤ地域の言語との間の歴史的関係についての理解を深めることができた。
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