イランで所蔵される未公刊楔形文字資料について、博物館の許可のもと、研究調査、資料の解読等を行った。対象資料は紀元前3000年紀末から紀元前2000年紀のシュメール語、アッカド語、エラム語である。写真撮影に加え、連携研究者が3Dデータスキャニングを行った。口頭・論文発表のほか、国際シンポジウムで発表しプロシーディングスに原稿を発表した。扱ったうち、2点の資料はイラン出土の貴重なシュメール語資料である。1つは、この地域で初めてみつかった紀元前三千年紀末のシュメールウル第三王朝の初代の王ウルナンマの王碑文であり、もう1点は前二千年頃、エラム語圏で作成されたシュメール語行政記録である。
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