本研究では、フィールドワークにより収集した類型的に異なる東アフリカの二つの言語 - Kupsapiny語(ウガンダ、ナイル語族)とSidaama語(エチオピア、クシ語族) - の空間移動表現のデータを使い、マクロイベントとしての移動イベントが言語により異なることを見いだした。両言語で1つの節で表せるイベントは限られていて、それぞれの言語が特徴的な類型的パターンを示すイベントが一致するとは限らない。その要因として考えられるのは、移動の構成素の組み合わせ、とりわけ特定の構文において表すことができる経路の要素である。
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