研究課題/領域番号 |
24520517
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
三保 忠夫 神戸女子大学, 文学部, 教授 (60093811)
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キーワード | 鷹書 / 鷹詞 / 宮内庁書陵部 / 王朝文化・鷹狩 / 近世の鷹狩 / 放鷹文化 / 国学・有職故実 / 鷹医薬 |
研究概要 |
1,宮内庁書陵部所蔵の鷹書につき、次のような原本の実施調査を続行した。即ち、平成25年5月13日・14日:24点/同7月1日・2日:24点/同8月26日・27日:24点/同9月19日・20日:24点/平成26年1月20日・21日:24点、その他、公文書など/同3月10~12日:36点。これにより書陵部蔵鷹書全737点の内の9割半ばを越える調査を終えることができた。 2,並行して、京都大学所蔵本、熊本大学寄託永青文庫蔵本、金沢市立図書館蔵本、久留米中央図書館蔵本、尊経閣文庫蔵本、その他の鷹書の調査を行なった。これらは宮内庁書陵部の所蔵本を別の角度から分析するために必要となる。 3,以上のように調査を終えた資料(鷹書)は、鷹書と人物との関わり合いを軸として、分類・整理し、原稿を整えつつある。整備進行中の章立ては、「第1部 宮内庁書陵部所蔵の鷹書ー総論ー (松江藩収集・制作の鷹書が宮内庁に寄贈された経緯、その他について考察した。) 第2部 宮内庁書陵部所蔵の鷹書ー各説ー 第1章 公家の鷹書、第2章 中世武家の鷹書、第3章 公儀鷹匠・鷹匠同心など 第4章 松江藩鷹方関係者の鷹書、第5章 徳川将軍家・幕臣、諸侯・諸藩鷹匠などの鷹書、第6章 絵師、僧侶の鷹書、第7章 有職故実家、国学者・文人、連歌師などの鷹書、第8章 李氏朝鮮の王族、医学者の鷹書、付章 第3部 鷹詞研究資料 4,一部ながら、調査・研究の成果は、後述のような専門雑誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、宮内庁書陵部の鷹書の悉皆調査を経て、書陵部に所蔵される鷹書の種類、性格、文化的資産としての価値等について把握しようとする。目下、おおむね順調に進展している。斯界に公表できる日は近いと確信する。 なお、この目的のためには、少なくとも日本における他の施設・機関に所蔵される鷹書の調査も必須となる。この方も、十分とまではいかないが、かなりの調査・分析を実施した。尊経閣文庫、大阪大学、慶応義塾大学、国立公文書館内閣文庫、国立国会図書館、東京都立中央図書館、静嘉堂文庫、天理大学、内藤記念くすり博物館、彰考館文庫、国文学研究資料館、京都大学文学研究科などにおける調査がそれである(再調査、再々調査分も含む)。これにより、少なからず本課題研究の質的向上を計ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
1,目標であるが、宮内庁書陵部のすべての鷹書の調査を完遂する。 2,これらにつき、『放鷹』の「本邦鷹書解題」(福井久蔵執筆)と照合し、同「解題」の不足するところ、増補すべきところなどを整理する。 3,鷹詞の研究上、重要な鷹書を可能な限り、翻刻する。 4,「本課題研究の成果」の全体を、斯界に報告・公表できる形に纏める。
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