研究課題/領域番号 |
24520520
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
山崎 誠 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (30182489)
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研究分担者 |
田島 毓堂 名古屋大学, 文学研究科, 名誉教授 (20082349)
山元 啓史 東京工業大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30241756)
柏野 和佳子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語資源研究系, 准教授 (50311147)
内山 清子 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (20458970)
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キーワード | シソーラス / 語彙分類 / 語彙体系 |
研究概要 |
2014年2月に海外の研究協力者も含めた研究会を行い、シソーラス・語彙分類についての各自のテーマにそって、研究経過報告、作業報告を行った。具体的な内容は以下のとおり。 (1)『分類語彙表』元版・新版比較の見通し-ア行-(田島毓堂)は、1964年に刊行された『分類語彙表』と2004年に刊行された同書の増補改訂版とを比較し、項目間の新旧の異動について調査したものである。その結果、ア行で完全に一致するものが約43%、微差(分類番号の小数点以下3桁以降の違い)が約23%、などの結果が分かった。(2)現代日本語コーパス分析のための中間語彙層の抽出と応用(山元啓史)では、Baiduブログデータを用い、使用頻度における中間の語彙がトレンドの発見に役立つことを指摘した。(3)多義的後項動詞を含む複合動詞に関する一考察(内山清子)は、複合動詞の意味的分類による、シソーラスの拡充と複合動詞の体系化や複合動詞レキシコンと分類語彙表のリンク付けやマッピングについて事例を挙げて紹介した。(4)分類語彙表増補改訂版へ研究用アノテーション付与(柏野和佳子・山崎誠)では、複数の項目に挙がっている見出し語についてどれを代表義とするか、その作業手順について具体的に報告したものである。(5)中英日動詞補語用法オンライン辞書構築とその課題(砂岡和子)は、日本語と文法的な位置付けが異なる複合動詞の辞書作成の問題点を指摘した。(6)韓国におけるシソーラス研究の現況-韓国語の類義語大辞典を中心に-(薛根洙)および(7)韓国におけるシソーラス研究現況-韓国語作文辞典の構築研究を中心に-(韓有錫)は、韓国におけるシソーラス事情の紹介である。 研究会では、次年度の成果報告の内容についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分類語彙表増補改訂版で複数箇所に登録されている語について、代表義を決める作業が予想以上に時間が掛かることが分かり、今年度は用の類(動詞)約2400語について終了したにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
シソーラスの理論的枠組みについての分析よりも、調査研究に直接有益は『分類語彙表増補改訂版』へのアノテーション作業を優先させることにした。具体的には、代表義を決めて、異なる意味分析結果の客観的な比較が可能になるようにすること、また、コーパスからの頻度情報、表記のバリエーションの情報、言語単位の情報などを付与することにより、意味の分析とその他の言語情報を組み合わせた分析が可能になるようにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
『分類語彙表増補改訂版』に対する主たるアノテーションである代表義の決定が作業の見積もり、マニュアル化が予想よりもはるかに時間がかかっため。平成25年度は用の類(動詞)についての作業にとどまった。 平成26年度に残り体の類(名詞)及び相の類(形容詞・形容動詞)の代表義の決定を行い、予算を使い切る予定である。
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