れまで複合動詞の言語分析には、定量的な調査を踏まえた研究が少なかったが、近年利用できるコーパスも大きくなり、統計的なデータと統語的な情報を用いた調査をすることができるようになった。そこで定量的に複合動詞と構成動詞の統語と意味のミスマッチを分析し、複合動詞形成のための構成動詞間の意味関係について研究を行った。具体的には、本研究では京都大学が公開している5億文のコーパスを使って、約2700語の複合動詞を対象にコサイン類似度で複合動詞が前項、後項動詞のどちらと類似度が高いかを計算して意味的類似性をとらえ、また複合動詞に対して格が複合動詞へどのように継承されているかを調査・分析した。
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