研究課題/領域番号 |
24520530
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
和田 尚明 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40282264)
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研究分担者 |
渡邊 淳也 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20349210)
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キーワード | 時制 / アスペクト / モダリティ / 比較研究 |
研究概要 |
本年度は、和田が日英独仏蘭語の時制・モダリティ現象の比較研究の一環として日英語の時制・モダリティの統一モデルの構築と他の理論との関連性、英仏語の未来表現、英語の小説における時制現象を、渡邊が日仏西語の非定形述語ならびに非過去時指示に関する時制・モダリティ・アスペクトの比較研究の一環としてフランス語のジェロンディフ、モダリティ表現を中心に研究した。 本年度も、合同研究会を定期的に行い、意見交換ならびに研究成果の共有を行った。研究会の活動記録は次のとおりである。第1回研究会(渡邊淳也):「主語不一致のジェロンディフについて」(2013年4月30日) 第2回研究会(和田尚明):「時制・モダリティの統一モデルと言語使用の三層モデルpart.1」(2013年6月25日) 第3回研究会(和田尚明):「時制・モダリティの統一モデルと言語使用の三層モデルpart.2」(2013年7月2日) 第4回研究会(渡邊淳也):「Denis VIGIER (2012) “En attendant: un cas de pragmaticalisation”Travaux de linguistique 64の報告(2013年10月22日) 第5回研究会(渡邊淳也):「フランス語の主語不一致のジェロンディフについて」(2013年12月17日) 第6回研究会(和田尚明):「英語の3人称小説における過去時制形式の解釈メカニズム」(2014年2月10日) また、和田が2013年5月15日~17日にフランス認知言語学会第5回大会(リール第3大学(フランス))にて口頭研究発表を、渡邊が2013年9月27日~10月6日に国際学会La Transgression: de l' e'mancipation a` la progression(西部カトリック大学(フランス))にて口頭研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、和田が自ら提案する時制・モダリティの統一モデルを構築し、それを基に日英独仏蘭語の非過去(先行)時指示に関する時制・モダリティ現象の相違の説明を、渡邊が日仏西語の非定形述語ならびに非過去(先行)時指示に関する時制・モダリティ・アスペクト現象の相違の説明を行う予定であった。当初の研究テーマとは若干ずれた部分があるものの、課題自体のテーマであることには違いがなく、4年全体でみた場合、順調に進んでいると言える。 具体的には、和田が上述の時制・モダリティの統一モデルに基づいて、日英仏語の時制・モダリティ・アスペクト現象の分析ならびに、そのモデルと公的自己・私的自己という概念を基盤に据えた言語使用の三層モデルとの関係を中心に研究し、渡邊がフランス語のジェロンディフを英語の分詞構文との比較を交えながら包括的に分析し、かつ、日仏語のモダリティ表現の分析を行った。これらは国内外で研究発表・招待発表ならびに論文掲載という形で成果を上げている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、昨年に続き、和田が「日本語ならびに英独仏蘭語の未来時および過去時指示に関する時制・モダリティ・アスペクト現象に関して、タイプの異なる話者(公的自己と私的自己)の視点やC-牽引がどう関わるのか」を、渡邊が「日仏西語の非定形述語ならびに未来時指示に関する時制・モダリティ・アスペクト現象に関して、「内」の視点・「外」の視点がどのように関わるのか」を中心に研究を進める。 具体的には、合同研究会については、一人2~3回の発表を行う予定で、加えてこのテーマに関係する院生の発表も行い、討論することで研究を深めてゆく。共同研究のテーマの中心は引き続き「未来時指示に関する時制・モダリティ・アスペクト現象」であり、その一環として、和田が行為性・時制・アスペクト・モダリティに関する国際学会(ピサ高等師範学校・イタリア)や、文法と語用論の関係に関する国際ワークショップ(筑波大学)で発表する予定である。また、渡邊がフランス語の時制・モダリティ・アスペクトの専門家を招聘し、講演会を開催する予定である。 さらに、本課題の研究成果は、随時、口頭発表や論文掲載という形で発表していく予定である。
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