現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究初年度の研究成果を踏まえながら、日英語の指示表現と名詞節化形式の選択や出没がどのように理論的枠組みに位置づけられるかについて検討した。また、談話や発話場面を分析し、指示表現の選択が語用論的要請によって動機付けられている諸現象を検証した。具体的には、英語の指示表現を伴うIt turns out that節構文、That is構文、I hate to say it構文を中心に分析した。本年度の研究成果として、大竹芳夫(2013)「主節部に単純現在形が現れるIt turns out that節構文に関する記述的研究」,『新潟大学言語文化研究』第18号, pp.13-26.、大竹芳夫(2014a)「指示表現と換言:That is構文がつなぐ情報」,『新潟大学経済論集』第96号, pp.171-183.、大竹芳夫(2014b)「文をつなぐ指示表現の出没と選択に関する意味論的・語用論的研究:I hate to say X構文が指示表現Xでつなぐもの」,『言語の普遍性と個別性』 第5号, pp.15-32.を挙げることができる。研究最終年度の次年度は、本年度の知見をさらに深化させて、指示表現と名詞節化形式の選択・出没という言語事象を通し英語と日本語の個別性、普遍性の両面を体系的・原理的に明らかにする。
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