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2014 年度 実績報告書

英語史における付加疑問文の文法化・主観化研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520543
研究機関広島修道大学

研究代表者

福元 広二  広島修道大学, 商学部, 教授 (60273877)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード付加疑問文 / 英語史
研究実績の概要

本年度においては、前年度に引き続いて初期近代英語期における付加疑問文の調査と、それに加えて、後期近代英語期における調査を行った。初期近代英語期においては、Shakespeareや Ben Jonsonなどの劇作家を中心に付加疑問文を調査した。また、付加疑問文だけでなく、相手に対して、軽い疑問を呈したり、同意を求めたりするような表現も幅広くデータを収集し、それらの分類と分析を行った。
その結果、付加疑問文に関しては、現代英語のような肯定文に否定の付加疑問文、否定文に肯定の付加疑問文といった用例も見られることが明らかになった。また、肯定文に肯定の
付加疑問文がついている例も数多く見られた。16,17世紀の劇作家では、あまり多くの用例は見られないが、Shakespeareと Ben Jonsonの作品においては多くの用例が見られた。
まだ法助動詞や、助動詞doが完全には確立していないと思われる16世紀から、付加疑問文に法助動詞やdoが使われていることがわかった。また、現代英語では見られないような付加疑問文の用例も見られた。例えば、主節の人称代名詞と付加された節の代名詞が異なる用例もあった。これは、2人称代名詞においては、初期近代英語では、you とthouの2種類があることにもよる。また、付加された文が、sayest thou?やthink you?のような用例も見られ、これらは、話し手が相手に確認するという付加疑問文のような機能を保持していた。
後期近代英語になると、特に18世紀以降では、助動詞の縮約形が用いられ、かなり現代英語の用法と同じような用例が見られるようになることがわかった。また、極性の異なる付加疑問文が定着するようになるので、この時期が付加疑問文の文法化の時期であると考えられると結論づけた。

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公開日: 2016-06-01  

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