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2013 年度 実施状況報告書

米語における歯茎弾音と日本語ラ行弾音の比較分析研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520544
研究機関広島大学

研究代表者

安仁屋 宗正  広島大学, 総合科学研究科, 教授 (60202652)

キーワード米・日の弾音比較
研究概要

本研究の第二段階であるフィールドワークを実施した。米国University of Washingtonに平成25年9月11日から1ヶ月間出張し、英語母語話者大学生を対象に現地調査及び実験を行い音声データを収集し、音声分析ソフトPraatによる分析を実施した。帰国後、音声分析ソフトPraatによる分析の精密化に着手するとともにデータの統計解析を現在実施中である。なお、ワシントン大学のワークショップで研究発表を行った。本研究の第二段階における、先行研究の結果と上記フィールドワークにおける音声分析比較の結果及び新たに明らかになった点は以下のとおりである。1.先行研究との比較:a. 先行研究では「英語歯茎弾音は無声音化するが、日本語ラ行弾音は決して無声音化しない。」としている。しかし、フィールドワークで得られたワシントン大学英語母語話者学生と広島大学日本語母語話者学生の音声分析の結果、英語歯茎弾音と同様に日本語ラ行弾音も無声音化することが明らかとなった。b. 先行研究では、「日本語ラ行弾音の持続時間は、英語歯茎弾音の持続時間より少々長い。」とされている。しかし、英語歯茎弾音と日本語ラ行弾音の持続時間は殆ど変わらないことが本研究で明らかとなった。2.新たに明らかとなった類似点と相違点:1.類似点a. 日本語ラ行弾音は、無声音化するが英語歯茎弾音ほどではない。2.相違点a. 英語側音は、日本語ラ行弾音と比較すると持続時間が長い。b. 英語歯茎弾音は無声音化するが、英語側音は殆ど無声音化しない。なお、上記フィールドワークでは新たに英語側音と日本語ラ行弾音の音響音声学的比較を取り入れた。この比較は重要である。日本人英語学習者は、英語歯茎弾音と英語側音の両方とも日本語ラ行弾音と置き換える傾向があることが知られている。その理由を音響音声学及び調音音声学的に明らかにすることが可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では、日本語母語話者の音声録音及び分析は本研究第三段階の平成26年度に実施する予定であったが、平成25年に既に実施しており予定より進んでいる。また、平成25年度に米国ワシントン大学で実施したフィールドワークの分析結果により、先行研究の問題点を検証することができた。さらに、上述のごとく新たな発見もあった。よって、おおむね順調に進展しているといえる。しかし、データ分析とデータ統計解析に予想外に時間を要しており、論文公表には未だ至っていない。平成26年度にはデータ分析とデータ統計解析を終了し精査を行って、国外・国内の学会誌に公表する予定である。

今後の研究の推進方策

本研究の最終段階である平成26年度は、音響音声学的分析の精査のみならず調音音声学分析を実施し、英語歯茎弾音と日本語ラ行弾音の類似点と相違点をより明らかにする。また、その成果を論文にまとめて国外・国内の学会誌に投稿して公表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] A Comparative analysis of American English flaps and Japanese flaps2013

    • 著者名/発表者名
      Aniya, Sosei
    • 学会等名
      Phonetics Lab Meeting, University of Washington
    • 発表場所
      University of Washington (U.S.A)
    • 年月日
      20131004-20131004

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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