本研究では、日英語の語形成のメカニズムについて、特に音変化やアクセント移動に注目しながら、論じた。扱ったテーマは、複合語の一見不規則なアクセントパターン、日本語の複合語に見られる連濁とアクセントの関係、短縮語形成に係る原則、派生接辞が引き起こすアクセント移動、通常よりも長い混成語が作られる条件、などであった。そして、短縮語形成と混成語形成に関しては、日英語に共通した原則を明らかにした。また、複合語のアクセントと連濁については、統計的手法を用いて詳述し、従来の研究の不備を補った。さらに、派生語に関しては、日英語の名詞形成接尾辞の振る舞いの違いに着目し、脳内の辞書の構成に関する新しい提案を行った。
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