本研究は,後期近代英語期に一般化した文法構造である「進行形」について,その文法化プロセスを,「アスペクト」の構文的成立要因と語彙的成立要因の相互関係から導き出そうとする研究である。動詞体系と構文形成要素を整理してみると,進行形構造が自動詞構造から他動詞構造へ拡張していった様子を見ることができた。自ら後期近代英語コーパスを作成する計画は十分に進まなかったため,ヘルシンキコーパスと英訳聖書をデータとした小規模観察になってしまったものの,その中でもそのようなことが観察できた。観察結果の一部を,著書『近代英語考』としてまとめた。
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