研究概要 |
2013年度検索した統語標識付きコーパスthe Penn-Helsinki Parsed Corpus of Middle English(PPCME2)の多重否定構文については、ne V, ne V not, not ne V, not Vの4型に分け、分析・考察を行った。その結果ne V not型はM2(1250-1350)で1,000語あたり5.39語と高頻度を示し、その後M23/M3(1350-1420)になるとnot V 型が6.06と主流で、先行研究と同様であった。またPPCME2のM2の総語数が少いが、ne V not型はフランス語あるいはラテン語からの翻訳が多いことも判明した。それらについて、2013年5月2日~4日までスペインムルシア大学で開催されたThe 8th International Conference on Middle Englishで"The French Influence on Multiple Negation in Middle English: A Corpus Study"のタイトルで発表した。 先行研究でも中英語のテキストの翻訳が多さが指摘されている。PPCME2では原本と写本の時期が記されているが、M2の写本はその量の少なさが際立ち、またほとんどが翻訳で、コーパス編纂の問題点が指摘できた。 2014年度英語論文提出のため、まとめに取り掛かっている。当初4型に分けてきたが、簡潔にne V, ne V not, V notに分け、翻訳であるか否かて考察している。
|