研究課題/領域番号 |
24520552
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
生田 祐子 文教大学, 国際学部, 教授 (50275848)
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研究分担者 |
高橋 礼子 (高橋 礼子) 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 講師 (30613913)
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キーワード | 共通言語としての英語 / リンガフランカとしの英語 / 英語コミュニケーション |
研究概要 |
共通言語としての英語(ELF=English as Lingua Franca)に関して、国際理解と言語の役割、東アジア地域における言語選択、異文化コミュニケーション理論に焦点を当て、次の文献研究と関連調査とプロジェクトを実施。 文献研究: 1. ユネスコ、欧州評議会が提唱する多言語主義と、その政策実践である複言語主義が目指す多民族共生と国際理解教育。2. グローバルに人と情報が移動する際に付随する言語の拡散と融合。その過程で個人がグローバル社会に繋がるための言語選択。3. Bhaha(1994)のHybridity、Third Space(第3の空間)理論やPhipps(2013)のIntercultural Ethics(異文化間倫理)を参考にし、ポストコロニアルを越え、共存するための言語観に基づく言語意識。 調査プロジェクト: 1. Communication Logic(対話ロジック)(Ikuta & Takahashi, 2010)についての研究方法を再度検討し、ケーススタディとして、国連機関従事経験者に対するSemi-Structured Interviewによる質的調査を実施。2. 上記の研究成果は、2014年AILA(世界応用言語学会)年次大会の研究発表に採択され、8月にオーストラリアブリスベンで発表予定。3. ELFの現場観察を目的とし、ブリヤート大学(ロシア)に加えて、The Hong Kong University of Science and Technology(中国)のテレビ会議システム(一部Skype使用)による交流実験授業を実施。4. 関連の研究を、The 19th Conference of the International Association for World Englishes(IAWE) 米国アリゾナ州立大学にて発表。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度に予定していたインタビュー調査の実施が、研究代表者と共同研究者とも、勤務校の様々な要因により、調査を実施する時間確保が困難な状況であった。そのために、研究計画は予定よりやや遅れている。しかし、研究方法、調査項目、調査対象者については、当該年度に実施した文献調査を反映しながら再検討することができ、実質的な研究成果に結びつくことが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
これまで「標準」を研究目的の概念として調査と分析を試みたが、結果として国際機関従事者の「言語意識」に関する興味深いデータが集まっている。2014年度の本調査では、インタビューの手法を点検しながら(Semi-Structured Interview)、10年以上国際機関に従事者に対する調査を、以下の内容に基づいて継続する。調査結果は、QDA(質的データ解析)ソフトウエアを用いて分析し、ケーススタディとして研究結果をまとめ、関連の国際ジャーナルへ投稿する予定である。 1. 国連関連機関の多言語社会において、共通言語として英語(ELF)コミュニケニーションの課題は何か。 2. 共通言語としての英語(ELF)を使用する話者間に存在する言語文化、価値、社会通念は何か。 3. 共通言語としての英語(ELF)を資料する話者間に求められるまたは共有すべき対話ロジックとは何か。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者の高橋礼子(学習院女子大学専任講師)が育児休暇中であり、研究調査のための出張などが実施できなかった。 1. International Association of Applied Linguistics (AILA World Congress 2014)で研究発表出張旅費(高橋礼子) 2. 調査に伴う出張旅費(生田祐子、高橋礼子)
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