再帰代名詞束縛の分析を行った。Lebeaux、Chomskyが提唱した再帰代名詞の移動分析をミニマリストプログラムの枠組みで捉え直し新たな提案を行ったのがHasegawa(2000)の移動分析であったが、その後のミニマリストプログラムの発展にともない導入されたAGREEのメカニズムをHiraiwaが発展させたMULTIPLE AGREE(多重一致)を再帰代名詞に応用した分析が、Hasegawa(2005;2009)とChomsky(2005;2008)で提案された。本研究はこの移動分析と多重一致分析を融合したhybrid(混成)分析を検討し、その形態論・語形成への応用の可能性を明らかにした。
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