研究課題/領域番号 |
24520558
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
菅原 真理子 同志社大学, 文学部, 准教授 (10411050)
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キーワード | 音韻論 / 英語 / 強勢 / 知覚 |
研究概要 |
H25年度は主に『音韻論:朝倉日英対照言語学シリーズ第3巻』 (ISBN978-4-254-51573-2 H26年3月20日刊行)の編集と執筆に携わった.この著作は,大学の学部生向けのテキストであり,英語の強勢の知覚に関する知見も取り入れた. また,本研究の研究計画に従い,韓国語ソウル方言話者を対象とする英語の語強勢に関する知覚実験も実施した.今後は参加者の数をさらに増やし,分析にも着手する.この実験で使用した刺激音は,H24年度に日本語母語話者と英語母語話者を対象に行った実験で使用したものと同じものであり,二音節語のピッチが第1音節と第2音節で違いなない場合に,どちらをより強いと参加者が判断するのかを検証するためのものである.英語や日本語とは異なり,韓国語ソウル方言においては単語の中に韻律的に卓立した音節があるわけではない.そのような言語を母語とする韓国語ソウル方言の参加者たちが上記の刺激音を聞いた際に,日本語話者や英語話者と異なる強勢知覚をするのかを確認することを目的としている. さらに,昨年度(H24年度)に韓国のソウル大学で行われたLinguistic Society of Koreaで発表した題材をWhere does Japanese listeners' iambic bias come from?という論文にまとめジャーナルに投稿したが,その査読結果に基づき,現在も引き続き改訂中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度以降は,韓国語ソウル方言など,日本語や英語以外の言語を母語とする話者を参加者として強勢知覚の実験をしていくことを「研究計画」には記している.その計画に沿ってH25年度には韓国語ソウル方言話者で実験を行っているので,計画通りの進展はできていると考える.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い,韓国語ソウル方言話者およびその他の言語話者を参加者としてさらに実験を進めていく. また,H26年度には,査読結果に基づいて改訂中の論文をジャーナルにて発表し,かつ韓国語話者を対象とした実験結果に基づいた論文の執筆も目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度は,『音韻論:朝倉日英対照言語学シリーズ』の執筆にかなりの時間を割いたため,予定していたよりもより少ない参加者で実験を行うことになり,参加者への謝礼(H25年度は金銭ではなく物品を謝礼として手渡しているので物品費として計上)およびリサーチアシスタントなどの人件費の支出が少なかったことが理由である. H26年度は実験の遂行およびそれにかかわる研究業務に支出をしていく予定である.具体的には以下の項目を予定している. 実験参加者への謝礼(物品費として計上),実験補助や研究業務補助(本研究に関連する文献のデータベース化を含む)を担うリサーチアシスタントの人件費,実験と研究に必要なコンピュータやソフトの購入,書籍の購入など
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