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2013 年度 実施状況報告書

外国にルーツを持つ母親のためのライティング・シラバスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24520564
研究機関山形大学

研究代表者

内海 由美子  山形大学, 基盤教育院, 教授 (20292708)

研究分担者 富谷 玲子  神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (40386818)
澤 恩嬉  東北文教大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (50389699)
キーワード外国にルーツを持つ母親 / 読み書き能力 / 子育て支援 / 連絡帳 / 幼稚園・保育園 / 日本語習得支援 / ライティング・シラバス
研究概要

24年度は、日本人の母親と漢字圏出身の母親を中心に、幼稚園・保育園とのやりとりに関する聞き取り調査と連絡帳のデータ収集を行った。25年度は、非漢字圏出身の母親に焦点をしぼり、8名の母親に聞き取り調査を行うとともに連絡帳のデータの提供を受けた。また、24年度に収集した音声データの文字化作業を継続し、25年度の音声データも合わせ、ほぼ文字化作業が完了した。これらの文字化データから、園との技能別のやりとり、他の保護者とのやりとりに関する部分を抜き出して分析資料を作成した。
その資料をもとに読み書きに関して分析した結果、日本語学習歴のある母親、漢字圏出身者、非漢字圏出身者では、園との文字によるやりとりに量的・質的な差があり、その結果、子育てへの主体的関与に違いが生まれていることがわかった。一方、子育てを契機に日本語学習をはじめた母親は、それまで日本人家族がおこなっていた園とのやりとりに関与できるようになることで、子育てに関する判断を自分で下せるようになっていったことがわかった。
次に、連絡帳のデータをもとに、挑戦的萌芽研究(平成21~24年度)で明らかにした5分類(通常の伝達、問い合わせ、相談、儀礼、応答)に関する記述を抜き出す作業を継続した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

聞き取り調査および連絡帳のデータ収集は、山形県、宮城県、山梨県で継続して行い、文字化作業も含めて順調に進めることができた。聞き取り調査の音声データをもとにした分析資料の作成とその分析もほぼ完了した。一方、連絡帳のデータの分析作業に関しては、分析方法をより精緻化する必要があることがわかりその検討を進めたため、サイトの設計に関しては当初の計画より遅れ気味である。

今後の研究の推進方策

平成26年度は連絡帳データの分析に焦点をあてる。①内容の5分類に関する記述を抜き出し、②頻度・重要度のラベリングを行うとともに、③内容の5分類に特徴的な談話構造を明らかにし、④外国出身者の誤用分析を行う。その分析結果をもとに、連絡帳に必要なライティング・シラバスを洗い出し、最終目標である読み書き支援サイトの概要を描き出すことを目指す。

次年度の研究費の使用計画

24、25年度は聞き取り調査と連絡帳データ収集が順調に進み、当初の計画をこえるデータ数となった。そのため、音声データの文字化作業、連絡帳データの文字入力作業に時間がかかり、サイトの設計・作成に着手することができなかった。
26年度は連絡帳データの文字入力作業を完成させ、サイトの作成を業者に発注する。次年度使用金額はそちらにあてる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 外国人の母親に対する読み書き能力支援としてのエンパワーメント-幼稚園・保育園と連携した主体的子育てを目指して2013

    • 著者名/発表者名
      内海由美子・澤恩嬉
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 155号 ページ: 51-65

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公開日: 2015-05-28  

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