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2013 年度 実施状況報告書

東日本大震災後のアジア諸国の日本イメージと関連要因の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24520569
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

加賀美 常美代  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (40303755)

キーワード異文化理解 / 国民意識 / 日本イメージ / 異文化間コンフリクト / 韓国 / 価値観
研究概要

本研究では韓国の国民意識と日本イメージとの関連について年代ごとに検討することを目的とした。Webによる質問紙調査が2012年12月に実施された。対象者は韓国に居住する14歳82名、17歳133名、20歳130名、25歳-29歳130名、30代132名、40代132名、50代134名、60代132名までの各年代で、1049名(男性475名、女性574名)の回答が得られた。因子分析の結果、国民意識は、『韓国人としての自尊心』『国家的優越性』『外国への開放』『排他性』『韓国の発展優先』の5因子が、日本イメージは、『信頼性』『集団主義的先進性』『災害・社会問題の深刻化』『攻撃性』『開放性』の5因子が抽出された。これらの各因子について年代ごとに一元配置分散分析、多重比較を行った。分析の結果、国民意識については『排他性』を除く全てに年代間の有意差が認められた。本対象者の国民意識は国家的優越性や韓国の発展優先を重視しつつ、外国への開放も年齢の上昇とともに高まる傾向がみられた。一方、日本イメージは全ての年代間において有意差がみられた。『災害・社会問題の深刻化』の平均値は最も高く、年代の上昇につれ徐々に高くなる傾向が認められた(F(7,997)=4.75,p<.001)。『信頼性』は全体として平均値が低いものの、特に、14歳から20歳までが低く25-29歳以降は高くなる傾向が認められた(F(7,997)=6.88,p<.001)。国民意識と日本イメージの関連について相関関係を検討した結果、相関係数は低いものの、概して国家的優越性を重視する人は、日本は攻撃性が高いというイメージを持つ傾向が示された。また、外国への開放という国民意識を重視する人は日本の規則厳守、科学技術における先進性が高いと認識しており、韓国人の国民意識と日本イメージについては何らかの関連性が見出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.韓国での上級日本語話者の面接調査による質的分析をもとに論文化できたこと
2.韓国におけるwebによる質問紙調査のデータ収集ができ、その統計的分析も順調に行われていること
3.台湾におけるwebによる質問紙調査ができたこと、
以上の点でおおむね順調に進んでいるといえる。

今後の研究の推進方策

1.韓国における統計的分析結果について6月に学会発表を行う。
2.台湾で実施した質問紙調査結果の統計的分析を進める。
3.学会発表および論文化、報告書作成の準備を行う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 韓国における20代の日本語上級話者の日本イメージ2014

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代・守谷智美・岩井朝乃
    • 雑誌名

      人文科学研究

      巻: 10 ページ: 69-82

    • DOI

      http://hdl.handle.net/10083/54907

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東日本大震災 1年後の東京近郊の留学生のメンタルヘルスと支援ニーズ2014

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代・岡村佳代・小松翠・朴エスター
    • 雑誌名

      高等教育と学生支援

      巻: 4 ページ: 39-49

    • DOI

      http://www.lib.ocha.ac.jp/oab/37higher/listOfIssue.html

    • 査読あり
  • [学会発表] 韓国人の国民意識と日本イメージの年代間比較2014

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代・小松翠・岡村佳代・朴エスター
    • 学会等名
      異文化間教育学会
    • 発表場所
      同志社女子大学
    • 年月日
      2014-06-07 – 2014-06-08
  • [学会発表] 多様性を考える:多文化社会における偏見と低減のための教育

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 学会等名
      韓国、檀国大学大学院
    • 発表場所
      韓国、檀国大学大学院
    • 招待講演
  • [学会発表] 学生参画による学生支援の実態と展望

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 学会等名
      内閣府認証特定非営利活動法人 学生文化創造
    • 発表場所
      東京大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本イメージからみたコンフリクトと解決

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 学会等名
      日本語教育学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本語学習者の異文化間の心理的問題とその対応

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 学会等名
      岡山大学言語教育センター特別公開講座
    • 発表場所
      岡山大学
    • 招待講演
  • [図書] アジア諸国の子ども・若者は日本をどのようにみているか-韓国・台湾における歴史・文化・生活にみる日本イメージ2013

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 総ページ数
      212頁
    • 出版者
      明石書店
  • [図書] 多文化共生論―多様性理解のためのヒントとレッスン2013

    • 著者名/発表者名
      加賀美常美代
    • 総ページ数
      347
    • 出版者
      明石書店
  • [備考] 加賀美常美代

    • URL

      http://www.dc.ocha.ac.jp/comparative-cultures/jle/kagami/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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