研究課題/領域番号 |
24520576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村上 京子 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (00210005)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生活者としての外国人 / 日本語能力 / レベル判定試験 / コンピュータ・テスト / 読む能力 / 聞く能力 |
研究概要 |
生活者として地域の工場などで働く外国人は、時間的制約や近くに日本語教室がないなどの理由で、日本語をほとんど学習したことのない人も多い。しかし、実態調査の結果から日本語学習を希望する人の割合は8割を超え、現在の自分の日本語能力レベルを知りたいという要望もあることがわかった。従来の日本語能力試験などの試験では読む能力が低い外国人は問題が読めないため、受験することができなかった。また、レベル表示も何ができるレベルなのか受験者本人や周囲の一般日本人にはわかりにくい記述であった。そこで音声補助もある母語による日本語能力判定試験コンピュータ版の開発を計画した。レベル記述も「・・ができる」という形で能力を文章で記述し、今後の学習に向けてのアドバイスも記入する方式をとることによって、地域外国人の日本語学習の支援を行っていくことを目指している。 2008年から筆記試験方法によるレベル判定試験を開発してきたが、このうち、「聞く」試験と「読む」試験をコンピュータ実施できる形に問題形式等を変更し、問題数を2倍に増強し、コンピュータ試作版を作成した。「聞く」の音声データのデジタル・ファイルをCBT(Computer based testing)に組み込むための加工を雇いあげアルバイターに依頼し、CBTのプログラムを業者に発注した。試作版を検討し、時間設定や結果表示など度重ねて変更作業を行い、実施可能な「読むテスト」「聞くテスト」コンピュータ版を完成させた。 地域外国人からテスト受験希望者を募集し、応募者を対象にモニター実施した。応募者が当初予定し、開発したスペイン語、ポルトガル語、英語、中国語話者が少なく、インドネシア語話者が多かったため、この受験者にはインドネシア語翻訳を行い、筆記試験方式で実施した。結果の分析から、問題点の洗い出しを行った。この結果をまとめ、3月末のシンポジウムで発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた地域外国人のための「読むテスト」「聞くテスト」コンピュータ版を完成させた。受験希望者を募集し実施した結果から、筆記試験方式による実施に比べ順当な評価ができ、モニター受験者からも良い評価を得ていることを確かめている。
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今後の研究の推進方策 |
「聞くテスト」「読むテスト」コンピュータ版に関しては、修正版を使ってさらにレベル判定試験を実施し、項目分析および、筆記試験方式版のデータとの比較を行う。不具合な項目等があれば、入れ替え、追加作業を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度からは「書くテスト」のコンピュータ版作成に向けて、問題の作成、CBT搭載作業を行っていく予定である。
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