研究課題/領域番号 |
24520581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 常磐大学 |
研究代表者 |
中川 健司 常磐大学, 国際学部, 講師 (20382830)
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研究分担者 |
中村 英三 常磐大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00549991)
宮本 秀樹 常磐大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40453401)
山岸 周作 長野大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30548079)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 介護福祉士国家試験 / 専門用語 |
研究概要 |
24年度における研究実績は大きく分けて、1)ウェブサイトのデータの作成、2)ウェブサイトの一般公開、3)ウェブサイトのシステムの改善の3点である。 1)であるが、各科目で用いられている介護用語を抽出するため、複数の新カリキュラム準拠の介護教科書、介護用語辞典の索引の見出し語を専門家から見て、国家試験受験のために学ぶ必要性が高いかという観点で取捨選択し、科目毎にリスト化した。抽出された用語は上記の1のデータと照合し、読み、訳語(英語)をつけた。専門用語を学習する上で、二漢字語を学ぶことにより学習の効率化が期待できるという考えから、上記の2のリスト中の介護用語から二漢字語を抽出した。その結果2124語の見出し語に対し、1170語の二漢字語及び914の単漢字が抽出された。これにより、科目名「発達と老化の理解」→単漢字「肝/かん/liver, hepato-」→二漢字語「肝炎/かんえん/ hepatitis」→③見出し語「C型肝炎/しーがたかんえん/hepatitis C」のように、科目ごとに単漢字、二漢字語、見出し語を互いに関連付けて学ぶことが可能になった。 次に2)についてである。5月に開催された日本語教育学会春季大会において介護福祉士国家試験対応漢字学習ウェブサイト「介護の漢字サポーター」試行版のデモを行い、日本語教育関係者への周知をはかった。8月1日にはウェブサイトの一般公開を行い、介護福祉国家試験全12科目中5科目について利用できるようになった。その後12月1日に利用可能科目を11科目にまで拡大した(残る1科目については次年度公開予定)。 また、3)であるが、学習者の利便性を高めるべく、本ウェブサイトのシステムを大幅に改善し、その結果、検索性および動作スピードが向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書において平成24年度の研究計画として1.介護福祉士国家試験に出現する漢字の頻度と傾向についての調査、2.介護分野教科書の索引中の見出し語の調査及びリストの統合、3.介護用語中の二漢字語の抽出、4.想定される利用者への聞き取り調査、5.第一次試行版ウェブサイトの開発及び試用の5つを挙げた。このうち1.についてはウェブサイトの仕様の変更があった(聞き取り調査から、サイト上で国家試験の過去問題を参照するより、わからない言葉をすぐに検索できるというニーズの方が大きいことが明らかになった)ため、第24回国家試験の漢字データは当初予定してた形では、統合されなかった。また、2.の介護分野教科書の索引中の見出し語リストには英語訳とインドネシア語訳をつける予定であったが、インドネシア語訳については当初の計画より遅れ、平成25年度にウェブサイトのデータに反映される予定である。しかし、他の3.~5.については概ね予定通り進展していると言える 。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、初年度においては、「介護の漢字サポーター」の英語版の一般公開を行うことができたが、一定の割合を占めるインドネシア出身のEPA候補者に対する学習支援のためには、インドネシア語版の一般公開が急務である。現時点での進行状況を考えると、次年度前期のうちに実現したいと考えているが、それに向けて、単漢字、二漢字語のインドネシア語訳、およびインドネシア語の情報を掲載した場合のサイトのフォーマットの最適化の作業が必要である。また、より多くの学習者に本サイトを使用してもらうには、サイトの存在を周知し、介護施設等とより緊密なネットワークを築く必要があるため、引き続き学会発表やワークショップの実施などを行っていく予定である。 24年度介護福祉士国家試験よりEPA候補者は総ルビの試験問題を選ぶことが可能となったことに伴い、ルビを前提とした漢字学習、語彙学習が可能となったが、それを支援するために「介護の漢字サポーター」にどのような機能を追加する必要があるかについても今後調査していく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
・次年度の研究費は主な使途は以下のとおりである。 1)次年度の「介護の漢字サポーター」のインドネシア語版の一般公開に向けた、データのインドネシア語訳作業および、そのサイトへの反映作業のため 2)候補者を対象にインドネシア語版の試用を依頼し、聞き取り調査を行う際の旅費として 3)5月に開催される日本語教育学会春季大会等で本研究の成果を発表する際の旅費として 4)前述の国家試験の総ルビ化に伴う機能の追加(例えば、見出し語の読み上げ機能等)に伴うサイトのシステム変更のため
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