研究課題/領域番号 |
24520589
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研究機関 | 静岡産業大学 |
研究代表者 |
谷口 正昭 静岡産業大学, 情報学部, 准教授 (60533213)
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キーワード | 日本語教育 / 帰国児童 / 言語保持 / バイリンガル / 読解力 |
研究概要 |
平成25年度に実施した研究の概要は、以下の通りである(3か年計画の2年目)。 1.【バイリンガル児童の実態、教育史、研究等の概観】平成24年度に引き続き、先行研究資料、参考文献、関連書籍の収集により、(1)バイリンガル児童の主な類型を調べ、(2)本研究における「バイリンガル」の定義を確定し、(3)バイリンガル児童の言語習得過程の概要を把握した。また、(4)帰国児童を取り巻く社会環境を概観し、(5)帰国児童を対象とする言語教育について現状分析をした上で、(6)帰国児童のバイリンガル能力の保持、伸長について、バイリテラシーという観点から、その特徴、問題点を考察した。 2.【バイリンガル児童の言語保持、伸長に関する個別調査の実施】平成24年度に引き続き、インタビュー方式による読解力査定を継続した:10名の帰国児童(8-13歳)を対象とした読解力査定を縦断的に実施した。音声、及び映像データは文字化した上で、Developmental Reading Assessmentを中心にして、Gray Oral Reading Test、ナラティブ評価に有効とされるリテリング等を使用し、分析を進めた。評価項目は、音読速度、読みの活動に対する態度と傾向、読解ストラテジー、内容の理解と解釈、読書に対する自己評価などである。 3.【課題分析のための基礎資料の作成】最終年度の分析、研究に備え、インタビュー調査の音声データ、及び映像データの文字化を行い、基礎資料を作成した。 4.これまでの研究結果の一部をまとめ、公表の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
20名の帰国児童を対象とした読解力査定を計画していたが、その約半数程度の協力者による調査からスタートしたため、やや遅れている。また、文献等の収集、分析についても、この分野における論文等が限られており、関連書籍も少ないことから、研究の全体的な進行についてもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(今後の推進方策) (1)平成25年度に引き続き、帰国児童を対象とした読解力査定を継続して行う。引き続き、物語を「部分」ではなく、「全体」を通して読む姿勢、つまり、作品全体をどのように読み、把握するかという能力についても留意しながら、その分析を進める。背景の異なる調査協力者について、各時点における読解能力をデータ分析によりできる限り正確に測定し、その後の推移を追跡調査する方法を採る。調査は定期的に実施し(24か月の間に12セッションを目標とする)、児童の言語使用状況、中でも日常的に行われる「読み」「書き」の活動の質・量に照らし合わせた分析を行う。さらに、コンコーダンサーを含むコーパスソフト等を使用し、語彙の多様性や構文の複雑性、文法の正確さなどを測定し、統計的な分析を予定である。(2)質問紙調査・面接調査・フィールドワーク:保護者及び指導者への質問紙調査、面接調査、家庭や教育機関におけるフィールドワークにより、帰国児童の言語環境を調査し、家庭や学校、その他の教育機関における両言語の使用状況や学習状況を多角的に把握する。読書環境など、両言語を用いた「読み」「書き」の活動がどの程度行われているかについても定期的に調査を行う。(3)研究課題に関するシンポジウム等を開催する。(4)研究成果の公表を行う。 (次年度使用額が生じた理由と使用計画) 1.文献、図書、分析ソフト等の未購入→必要な物についての計画的な購入を行う。2.調査協力者の不足、変更による調査回数の不足→調査協力者の継続的な増員を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.文献、図書、分析ソフト等の未購入 2.調査協力者の不足、変更による調査回数の不足 1.文献、図書、分析ソフト等の計画的購入 2.調査協力者の増員による調査回数の増加
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