研究課題/領域番号 |
24520590
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
康 鳳麗 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (30399034)
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研究分担者 |
森脇 健夫 三重大学, 教育学部, 教授 (20174469)
坂本 勝信 浜松大学, 経営情報学部, 准教授 (40387501)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ライフヒストリー的アプローチ / 熟練教師 / 熟練性 / 実践的知識 / フレーズで学ぶ |
研究実績の概要 |
ライフヒストリー的アプローチによる熟練教師の「熟練性」の研究は、教師の持つ技術や技能といった形式知(外から見える知識)に焦点を当てるだけではなく、授業実践において直観的、即興的、文脈的、複合的に機能する実践的知識に焦点化する必要がある。 実践的知識は、身体的な知であり、暗黙知的な知である。そしてまた両者の関係のかかわり方に「熟練性」が大きくかかわっていることが強く認識されたのが今年度の研究成果であった。そのことをライフヒストリー的アプローチでナラティブに明らかにすることが本研究の方法論である。 前年度、コーホートという概念を使用して、中国の各地における同時代性を持った熟練性の発達の共通性を明らかにしたが、そのことを今年度は地域や国といった空間的な共通性がどのように熟練性の発達に影響しているか、事例研究を重ねながら考究してきた。 一方、言語教育における熟練性の発達は、技術化できる部分もある。教材や教育方法といった形式知である。このことを実際に『フレーズで教える』という発想に結晶させ、言語学習に応用した教材=教科書を試作し、実験的、実証的に使用をしてみることができた。日本人に向けての中国語教育での教科書(『フレーズで学ぶはじめての中国語』)であるが、反転させれば第二外国語としての日本語学習にも転用できる。こうして熟練教師の「熟練性」を形式知に転化することによってその「熟練性」を共有財産にしていく道も拓くことができた。
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