研究課題/領域番号 |
24520596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
堤 豊 熊本学園大学, 商学部, 教授 (80227446)
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研究分担者 |
松野 了二 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (60044351)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
日本語教師用例文検索システムの構築に当たり、初年度の目標は、要素技術である、(1)文を解析し構文要素と意味要素に分け早見表に格納し, (2)2つの文の類似性を算出しランキングするという技術や、(3)構文要素、意味要素からその文の難易度を算出するという技術を確立することであった。 最初に例文データベースとして利用可能なデータ収集を試みた。その中で、最も適していると思われるのが青空文庫のデータベースであった。青空文庫は著作権が切れた日本の小説を中心として膨大なデータを収集しており、無料でデータベースを利用することもできるため、教室での利用に制限が無い。また、新聞記事等もデータベースとしては有用であるが、著作権の問題がある。しかしながら、今回のシステムでは技術的な実現可能性を優先して、双方を対象とすることにした。 次に、上記の情報源を例文検索用のデータに変換するためのサーバを構築した。このサーバは、青空文庫の小説データをインターネットを通じて収集し、日本語文章校正ツール「推敲」の技術と、フリーソフトで普及している「cabocha」を利用し、文単位に分割し形態素解析を行う。得られた形態素結果は、元々のデータベース(青空文庫等)へのリンクを保持した形式で、データベースに格納する。例文データの収集には膨大な時間がかかり、相手側サーバにも負担がかかるため、夜間に少量ずつダウンロードする仕組みを実現した。これらのプログラムは主に、macサーバ上でruby言語を用いて実現している。 さらに、例文検索に利用するためのアルゴリズムを作成し、上記データベースから特定の構文を抽出する実験を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初1年目の目標としていた、先行研究の調査、データベースの情報源の選定、要素技術の確立について一定のメドを立てることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、プロトタイプシステムを完成させる。まず、サーバー側のプログラム開発を行う。次にクライアント側であるMS-Word上で動くVSTOアドインソフトを開発する。なお、ユーザインタフェースを決定するため、接続テストの段階で、日本語教師にプレゼンテーションし、実際に利用してもらう。 類似文検索アルゴリズムの改善など、必要に応じてプロトタイプシステムの改良を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
クライアント側のソフトを開発するために、ノートパソコン1台とタブレットPC1台、および開発言語VSTOを購入予定である。 研究成果の発表のために、海外出張を予定しており、旅費を使用する予定である。
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