研究課題/領域番号 |
24520605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
上田 敦子 茨城大学, 大学教育センター, 准教授 (30396593)
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研究分担者 |
中西 貴行 常磐大学, 人間科学部, 講師 (10406019)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生涯学習 |
研究概要 |
平成24年度は、おもに生涯学習者に対して多読においてどのような教材が適切か、教材および使用機器の検討を行った。 ①そのため、新しい教材を購入し、教材研究を行った。具体的には、1)Walker Booksなど、読みやすいが社会人にも受け入れやすいペーパーバック仕様の本、また、2)魅力的な音声素材とカラ―イラスト入りの本がセットになっているUSBORNE社のCD本を購入し、授業の中で利用して学生などの利用者の反応を確認した。USBORNE社のシリーズはYoung Readingシリーズが以前より学生に好評であったが、First Readingのシリーズも導入した。このシリーズは語数も少なく、聴き読みの導入レベルで使用する教材として大いに利用できることが判った。 ②中西のクラスにおいては、iPadやiPodなどの機材を購入し、実験的に学生の利用を開始している。上田は、以前に購入してあったiPadに、多読用本のデジタル化(PDF化)したものとその朗読CDを入れ、同時に使うことによって、聴き読みをiPadだけで行える環境を作りつつある。実験的に様々なレベルの教材を入れ、学生に試してもらい、紙の本やCDとの使い勝手の違いを探った。2013年度以降も利用を続け、多読多聴を手軽に学習できる利用方法を考案したい。 ③また、24年度の上田の多読多聴の授業には4名の生涯学習者がいた。これらの参加者に対しては、授業を受けた感想や今後の希望、要望などの簡単なききとり調査を行った。社会人の場合、定期的に学ぶ(集まる)場所があること、英語書籍へのアクセスがあること、適切なアドバイスが受けられること、仲間がいる(コミュニティがある)こと、などが学習を続ける重要なカギであるようだ。 ④最新の情報を得るため、Asia TEFL 2012に参加した。ここでは日本の学生の読書習慣に関する調査結果についての発表も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教材研究については順調に進んだが、社会人対象のワークショップを1回開催する予定が実施するに至らなかった。しかし、25年度には開催する予定である。 また、海外の図書館訪問については訪問先を絞り切れなかったため、また、スケジュールが合わなかったために実行していない。25年度には訪問を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は、以下の推進方策によって研究を進める予定である。 ①社会人参加者にインタビューを行い、学習方法に関するニーズや学習するうえでの要求を掘り起こしていく。(上田は社会人参加者のある2種類の多読クラスを運営する予定がある。) ②上記の結果を受けたうえで、下半期に社会人向けの多読ワークショップを開催する予定である。 ③ワークショップにおいても情報発信するだけでなく学習者の生の声を得るようにし、調査分析する。 ④海外の生涯学習を念頭においた多読・読書教育の調査を行い、参考になる活動を調査・取材する。
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次年度の研究費の使用計画 |
①実行できなかった海外図書館または海外研究機関への調査取材を行う。 ②24年度は個別にききとり調査を行っていたが、25年度はもっと多数の生涯学習者に対して謝金を用意したうえでインタビュー調査を行う予定である。
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