研究課題/領域番号 |
24520606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
渡辺 浩行 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (40275805)
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研究分担者 |
太田 洋 駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (30409825)
本田 勝久 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60362745)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 授業分析 / 授業実践 / 教員養成 / 教員研修 / インタラクション / IRF / D-IRF / E-IRF |
研究概要 |
本研究ではインタラクション重視、特にそのIRF(Initiation, Response, Follow-up)構造のfollow-upがevaluative(E-IRF)かdiscoursal(D-IRF)かを軸に、次の①~③を明らかにする。①授業実践でのE-IRFおよびD-IRFの有効性、限界、課題。②既存の教員養成・研修プログラムではE-IRFとD-IRF のどちらをどのように、なぜ重視しているか。③前記①、②の結果を踏まえた授業実践、養成プログラム、研修プログラムの改善。 上記①の授業実践では圧倒的にE-IRFタイプが多く、D-IRFタイプは極限られているが、科研費「児童・生徒の意識調査と言語習得研究の観点による小中連携の授業(課題番号22520634)」では、小学5・6年生と中学1年生がD-IRFタイプの活動を「好き」「受けたい」と評価している。また、第二言語習得研究や教育学(授業学)の観点でも、D-IRF活動の方が英語コミュニケーションの素地、基礎を培うことが明らかになった。 上記②の教員養成については、国内外の教員養成の文献や資料を入手し、その効果的プログラムと意義について調査した。また小学校で英語を教科としている中国、韓国、台湾からシンポジストを招聘し、養成と研修について議論した。さらに、大学生にE-IRF活動とD-IRF活動の授業を見せて振り返らせることにより、省察的能力を育成し、実践的指導力を伸ばす可能性を模索した。 上記②の教員研修に関しては、まず前記の両活動を用いて授業内容に的を絞った研修を実施し、その研修内容を検討した。次に第二言語習得研究者、教育学研究者、教員養成・研修の研究者らと具体的な授業内容(E-IRF活動やD-IRF活動など)を取り込んだ研修の在り方について議論を重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「授業実践」「教員養成」「教員研修」のあり方(改善)の核となる授業分析がかなりすすんだ。とりわけ、インタラクションのIRF構造(Iniation・Response・Follow-up)がevaluativeかdiscoursalかで授業分析をしたところ、前者への偏りが多く、それが「授業実践」「教員養成」「教員研修」の現状において当てはまるということが予想される。次年度でのより本格的な研究へとつながる初年度の研究成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
授業分析を継続し、授業(活動)のインタラクションがD-IRF構造になっている場合とそうでない場合(例えばE-IRF構造)を調べ、授業実践における両者の有効性、可能性、限界、問題点をさらに明らかにする。また、現在の教員養成と教員研修の各プログラムでインタラクションを重視し、IRF構造の授業(活動)を扱っているか、どのように扱っているかも調べる。以上の現状分析から、「授業実践」「教員養成」「教員研修」の何をどのように改善すべきかを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は研究費の一部を、さらに授業分析を進めるための授業録画と録画授業分析に要する物品購入、旅費、謝金に使用する。加えて、教員養成、教員研修の現状を把握するために、そのデータ収集とデータ分析に応分の収集費、旅費、分析補助謝金を支払うことになる。そのための検討会の旅費、会議費も計上する。
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