研究課題/領域番号 |
24520611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
長沼 君主 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (20365836)
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研究分担者 |
永井 典子 茨城大学, 人文学部, 教授 (60261723)
O'DWYER Fergus 大阪大学, 世界言語研究センター, 講師 (70597301)
IMIG Alexander 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (50511143)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 言語教育学 / 言語ポートフォリオ評価 / 英語テキスト開発 / 学習者・教師自律性 / ヨーロッパ言語共通参照枠 / 内容言語統合型学習 |
研究概要 |
本研究では、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を日本の高等教育の文脈に合わせて修正・適用した技能統合型の英語テキスト(教科書)を開発することを目的とする。また、学習者・教師自律性を支援するために、実際にテキストを教室で使用するにあたり必要となる、教授資料・自律型教材・言語ポートフォリオ等を開発することも目的とする。本研究における平成24年度実績は以下の通りである。 1.CEFRに準拠した海外出版テキストを収集し、テキスト本体や付属can-doリスト等の分析を行った。2.CEFR関連資料(ThresholdシリーズやCore Inventory等)に基づいて、CEFRベースのテキストや課題レベル判定に用いる言語教授項目よび言語学習タスクの分析を行った。3.会合を開き、上記①の分析結果をベースに、全体コンセプトと具体的スペックの検討を行った。4.JACETのESP研究部会と代表者および分担者の所属するJALTのFLP研究部会の共催でワークショップを開催し、CEFRベースの教科書に関する教師ニーズアンケート調査を実施し、議論を行った。5.JALT年次大会においてFLP研究部会フォーラムを開催し、CEFRベースの教科書に関する議論を行った。6.上記①の分析および④と⑤の議論をベースとして、A2+からB1レベルの教科書の構成案を作成した。7.会合を開き、具体的に使用するテキストの吟味を行い、サンプルとなるユニットの開発に着手した。 ユニットは、内容言語統合型学習(CLIL)のアプローチを取り入れ、プロジェクト型学習のアプローチによるテーマ的につながりのあるユニットと組み合わせ、複数のインプットをもとに内容を整理し、深く考え、意見をまとめてアウトプットする機会を設ける構成とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CEFRを用いた教室事実践例収集についてはまだ検討段階であるものの、具体的な教科書開発にはすでに着手できており、全体の進度としては概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後、開発したサンプルとなるユニットをベースとして、アンケートや学会ワークショップ等(JALT PAN-SIGやJALT年次大会を予定)での議論を積み重ねて、A2+からB1レベルの教科書開発を先行して進める。また、レメディアル的取り扱いによる下位レベルの学習者による利用可能性を探る。さらには、CEFRを用いた教室実践事例収集を行い、学習者自律支援及び教師自律支援のための具体的な支援環境の構築に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度着手できなかった教室実践事例収集にあたっての機材の購入及び旅費、謝金等に主に使用予定である。
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