研究課題/領域番号 |
24520615
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
建内 高昭 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10300170)
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キーワード | ヒト / 言語音 / リハーサル |
研究概要 |
本研究は、機能画像研究及び臨床研究の成果を概観し、言語音のリハーサルとの関わりを探るものである。大脳皮質領域の中でも、運動前野がこれまで言語リハーサルと強い関わりがあることが指摘されてきた。しかし、近年の臨床研究から主としてヒト以外の霊長類を対象とした知見と、ヒトとの関わりが解明されつつある。とりわけマカークサルを対象とした研究成果を基に、ヒトへの応用が進められている。霊長類による研究成果をヒトに応用できる知見として、聴覚と運動前野を含む運動であるリハーサルは、構音運動に即したあご及び周辺の動き、構音リズムが関連していることへの共通理解がなされている。そのような中、Graud & Poeppel (2012)は、聴覚野は多様な周波に対応して異なる経路を利用していることを明らかにしている。音響波として1-8Hzでは聴覚野と上側頭回・中側頭回の経路によることが挙げられる。またブローカ野とウェルニッケ野を結ぶ経路、及びブローカ野と上側頭溝ではガンマー波による連絡では25-35Hz(ガンマー波)が用いられていることが示されている。上記の指摘を踏まえ、発話における音の周波数の違いが音韻認知に影響することが考えられる。また音素レベルの音韻認知の場合と音韻表出では、運動前野にて80%にわたり重複が見られる。そこで音韻情報を有声にリハーサルする場合と、無声にてリハーサルする場合の違いを考察することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度より、研究代表者が体調を崩し、当初の進行計画より課題作成の準備及び実験へ向けての進行が遅れている。ただし関連の論文等の収集は行ってきている。
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今後の研究の推進方策 |
現在まで進めてきた先行研究とその実験成果との関わりを、有声リハーサル及び無声リハーサルを用いて検証する。また研究成果の一部を2014年8月に行われる国際応用言語学会 AILA 2014にて発表を行う予定である。本成果は、言語教育に関わる関係者に対して広く提供する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が体調不良のために、当初の計画で実施する予定の情報収集及び学会出張等への参加機会が減ったため 当初の計画を遂行できるように、今後の研究を進める。 具体的には、旅費として脳神経科学に関わる調査(イタリア)や情報収集(東京)のために使用する。物品費として大脳皮質に関連する書籍を購入する。
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