• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

留学生の授業外第二言語使用-会話分析の観点から―

研究課題

研究課題/領域番号 24520619
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

T・S Greer  神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10320540)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード会話分析 / 日本語教育 / 英語教育 / Language socialization / Applied Linguistics
研究概要

「研究の目的」
会話分析という、会話に対する機能重視の社会言語学的アプローチを用い、本研究では非ネイティヴの留学生と、彼らが日常生活において出会うネイティヴスピーカーとの間の相互作用を深く、経験的に叙述することを目的とする。そうすることで、異文化間の相違、誤解、コミュニケーション上の困難が、日常の第2言語のやりとりの中でどのように処理されるかが詳細に提示される。今現在、日本語に関する日常の第2言語使用についての研究は乏しく、本研究は非ネイティヴ留学生の言語使用を考える上での、日本語を中心に据えた最初の会話分析となる。
「研究の実施計画」
会話を出来るだけ自然な形で捉える事を目標にし、unscripted talkの様子をビデオに採り、その録画データを細かく書き起こす。社会言語科学的・語用論的な面からその自然会話のやりとりを観察し、interactionの現象を分類する。今回は特に教室以外の様子で「自然な言語学習」が行う場面に注目する。例えば、日本語非ネイティヴである外国人留学生の日本語会話および短期留学プログラムに参加する日本人学生とホームステイ家族との英語やり取りを分析することによって、同様の現象は両言語で見える比較研究にもなる。参加者が複数回に出会いを含むデータも採り、出来る限り長いスパンの会話を収録する。会話のやりとりの中で外に表れた諸相が重要であるから、ビデオが有力な手段となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

あえって教室以外の場面を選び、2012年度中に様々データ収集を行った。地元の床屋で外国人留学生の日本語会話ビデオデータ(およそ15時間)を録画し、その内容を書き起こし、分析も始まった。中でも、会話の参加者にとって基本となる「言語選択」に関する問題を取り上げて分析した。
それに加え、日本人学生の自然英語使用の映像も採った。アメリカ・ワシントン大学やニュージーランド・オークランド大学等の海外短期語学研修プログラムに参加した日本人学生と英語ネーティブとの間の英会話(およそ10時間)も録画し、現在そのデータを書きお越し中である。当初ハワイ大学でも英語のデータを収集するつもりではあったが、その大学の許可が困難だったため、予定を少々変更することもあった.ただし、結局十分データが採れ、大きな問題ではなく、データベースが満足に進んでいる。

今後の研究の推進方策

今年度中更にデータを収集しながら、本格的に分析に入りたい予定である。そのため、Transanaというソフトを利用、会話データベースを作成し、現象コレクションを集める。特に時間と共に変更する学習者の言語能力を「ミクロ縦断的解析」から観察し、socialization (社会化)としての外国語教育を考えたい。また、同じ話し手である1人の人物はいろいろな聞き手を同じ会話をしても、全く同じ言葉を選ばないことをデータで目撃する。相手の言語能力を考え、言葉を選ぶForeigner talkの現象を会話分析のRecipient designというが概念を取り入れて分析する。

次年度の研究費の使用計画

上記の活動に加えて、日本における会話分析データセッションに定期的に出席し、論文を投稿し、Usage-based language learning conference (デンマーク、2013年4月)やAAALカンファレンス(アメリカ、2014年3月)で発表する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Collecting and transcribing CA data2013

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 雑誌名

      Pragmatics Matters

      巻: 40 ページ: 8-16

  • [雑誌論文] Accomplishing multiethnic identity in mundane talk: Half Japanese teenagers at an international school2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 雑誌名

      Pragmatics

      巻: 22 ページ: 371-390

    • 査読あり
  • [学会発表] Negotiating language from the barber's chair2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 学会等名
      Australian Institute for Ethnomethodology and Conversation Analysis
    • 発表場所
      Brisbane, Australia
    • 年月日
      20121229-20121230
  • [学会発表] Interculturality in interaction2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 学会等名
      International Conference on Research Applications of Intercultural Communication
    • 発表場所
      Zhongnan University of Economics and Law, Wuhan, China
    • 年月日
      20121116-20121118
    • 招待講演
  • [学会発表] Collecting and transcribing CA data2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 学会等名
      JALT International Conference
    • 発表場所
      静岡県浜松市
    • 年月日
      20121013-20121015
  • [学会発表] On doing Japanese awe in English talk2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 学会等名
      19th Sociolinguistics Symposium
    • 発表場所
      ドイツ・ベルリン市自由大学
    • 年月日
      20120821-20120824
  • [学会発表] Deviating from the script: Follow up turns in L2 talk

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 学会等名
      Brown bag lunchtime presentation series
    • 発表場所
      University of Hawaii at Manoa, USA
    • 招待講演
  • [図書] Pragtivities: Bringing pragmatics to the classroom2012

    • 著者名/発表者名
      Greer, Tim
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      JALT Pragmatics SIG

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi