研究課題/領域番号 |
24520627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
HOUGHTON S.A 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (00382416)
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研究分担者 |
リバーズ デミアン 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (00515455)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ネイティヴ・スピーカリズム |
研究概要 |
代表者 HOUGHTON:(1) 未来の理想的語学教師のヴィジョンを探求するため、異文化コミュニケーション能力(ICC)、また、リンガ・フランカとしての英語、さらに、ワールド・イングリッシズ(WE)について各方面の専門家44人(22カ国)とインタビュー(直接対談、Skype利用、メール交換)を実施した。(2) UKと日本において2014年度、ネイティヴ・スピーカリズムについてのシンポジウムを2つ企画した。(3) the AILA World Congress (2014年 ブリスベン、オーストラリア)にて、ネイティヴ・スピーカリズムについてのシンポジウムを提言した。Andy Kirkpatrick 博士(Griffith University, Australia)が私たちのグループに参加する予定。 分担者 RIVERS:最初の一年は「ネイティブ・スピーカー」という用語形成の解明のため、日本の社会文化的背景をふまえた、その用語使用の歴史的変遷に焦点を当てた。データ収集の一環であるインタビューは日本での経験がある英語教員が対象。この「非専門家」集団から、多様な意見や問題事項が提示されることが期待される。この集団はホートン、橋本が対象とするグループとは異なるという意味でも意義がある。インタビュー質問事項を決定、データ収集開始。 研究協力者 HASHIMOTO:日本語教師が母語話者性についてどのように考えているかを知るために、まず、日本との経済連携協定(EPA)に基くインドネシア人・フィリピン人看護師・介護福祉士候補者に対する日本語予備教育事業について予備調査を行った。国際交流基金日本語事業グループEPA研究チーム長、日本語国際センター専任講師、及びAOTS 日本語教育センターグループ担当長らと面談し、政府・民間連携でどのような教育がなされているのか、問題点も含め、情報を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
代表者 HOUGHTON: (1) 当初、30件のインタヴューを企画したが目標を上回る44件もの実施ができた。(2) ネイティヴ・スピーカリズムについてのシンポジウムも予定を上回る2回実施することを計画中。シンポジウム1:ダーラム大学, UK. (April 2014). 講師: Michael Byram氏(Durham University, UK)と、Jennifer Jenkins氏 (Southampton University, UK)。シンポジウム2:佐賀大学 (September 2014). 講師:日野信行 教授(大阪大学)と、John Maher氏 (ICU).(3) AILA World Congress 2014 を提案したが期待を以上に、Andy Kirkpatrick教授(Applied Linguistics Association of Australiaの理事長)がパネラーとして参加することになった。 分担者RIVERS: 今年度に設定した目標を達成したが、「ネイティブ・スピーカー」という用語使用の歴史的変遷にかかわる資料入手は期待していたほど容易ではないことが判明。3000語以上に及ぶ英語教員とのE-メールインタビューのデータを収集し、現在分析中。 研究協力者 HASHIMOTO: 研究の予備段階としての目的は達成。EPAに基くインドネシア人・フィリピン人看護師・介護福祉士候補者については主に国家試験の合格についてメディアで取り上げられているが、公開されている情報は少ない。日本国内での研究は主に国家試験準備、教材についてが主であることがわかったことも有益であった。またベトナムが新たに加わり、アジアにおける日本語の位置を理解するためにも、理想的な研究材料であることを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
代表者 HOUGHTON: (1) データ分析を継続。後半は調査結果を学術誌論文または本の一章として発表するための準備。収集データは2014-2015年海外開催の学会発表に使用。(2) 2回のネイティヴ・スピーカリズムについてのシンポジウム企画を継続して推進。 分担者RIVERS: 前半はデータ収集・分析。「修士号取得前の養成段階の教員」も参加者に加えるため、イギリスの一大学と日本在住経験のある応用言語学・TESOL修士課程在学生の連絡について問い合わせ中。インタビュー結果と「ネイティブ・スピーカー」という用語使用の歴史的変遷とのつながりを解明するのが分析の主な狙い。後半は調査結果を学術誌論文または本の一章として発表するための準備。収集データは2014-2015年海外開催の学会発表に使用。 研究協力者HASHIMOTO: 2013年5月:アンケート及びインタビューの質問事項の設定。6月:日本国際交流基金及びAOITS日本語教育センターと質問事項の確認。7月:パイロット・スタディをオーストラリア在住の日本語教員対象に実施。8月:日本国内在住のアンケート及びインタビュー対象者の確保及び連絡。9月:アンケート送付。10月:アンケート結果分析。11月:日本 (関東・関西地域) でインタビュー。12月:インタビュー結果分析。2014年1-3月:分析結果に基き論文執筆。
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次年度の研究費の使用計画 |
備品費または消耗品費として、(1)書籍購入 (ICC, ELF & ICC)(HOUGHTON) 前年度 繰越金 2,059円と合わせて52,059円 (2)書籍購入 (社会心理学とネイティヴ・スピーカリズム)(RIVERS) 50,000 円 海外渡航費として、データ収集のため、オーストラリアからの来日(HASHIMOTO) 400,000 円 合計502,059円
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