研究課題
2015年は最終年度であり研究成果発表の年ということで、テーマであるReflective Practiceについて小規模ではあるが国際シンポジウム(KCUFS Reflective Practice Conference)を8月に企画実施した。本シンポには二つの目的を持たせた。一つはリフレクティブ・プラクティス実践研究についての知見の共有と深化。もう一つは参加者への啓蒙を兼ねた教育実践としてのシンポにすることである。前者について、本テーマに関わる実践研究者が人間理解の過程で過去、現在、未来をどのように捉えているのかに焦点を置いて議論やワークショップが行われた。招待者として、経験主義に基づく Reflective Practice 実践理論を提唱するC.Rodgers(ニューヨーク州立大学)、精神医療分野でReflective Practice を実践するM.Monahan(トリニティ大学)、インプロビゼーション(即興パフォーマンス)を言語教育に応用するC.Lobmanの3人が基調講演やワークショップを行い、シンポでは玉井(神戸市外国語大学)、ナカムラ(岡山大学)が加わり大変興味深い意見交換が行われた。参加者は院生や教員、研究実践者であったがReflectionという行為の多様な側面を深く学んでいたようであった。又4つのワークショップを通じて経験的に分析と議論を行い、それが共有していたからか、3日目には会全体に学びを連帯的に共有する雰囲気が醸成されていたようであった。大会後のフィードバックシート及び口頭評価に、学びの豊かさと本会の温かさについて言及が多く見られたことからも、本会の実践面における成果と考えられる。また9月にはナカムラと玉井でマンチェスター大学で開かれたLinguistic ethnography conferenceで研究成果についての共同発表を行った。
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Bulletin of Higher Education, Okayama University Centers Publication
巻: 10 ページ: 105-116