研究課題/領域番号 |
24520636
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
片山 圭巳 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (00582371)
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キーワード | 音声言語処理 / 第二言語習得 |
研究概要 |
本研究では、日本人英語学習者がどのように単語分節能力を発達するかを調査する。特に、これまで母語の音節構造が分節能力に影響を与えるとの報告もあることから、第二言語における音節構造の習得が目標言語の単語分節能力と相関関係にあるのではないかと予測する。一方、初級英語学習者にとっては、音韻配列の生起制限が第二言語学習者の言語処理に影響を与えると考えられるため、この予測を検証する。 24年度は、日本語の音素配列の単語と英語の音素配列の単語を使用して、日本人英語学習者、および英語母語話者に探知課題を行った。前期に、実験に用いる音声の録音および、心理学実験ソフトE-プライムを用いて実験プログラムを作成した。後期に英語初級学習者、上級学習者、および英語母語話者に対して探知課題を行い、データを収集した。英語初級学習者グループは県立広島大学学部生20名から構成され、上級学習者グループとして、広島県および北海道在住の主に大学の英語教員(日本人)19名が参加した。また、英語母語話者は米国英語話者を対象とし、主にアメリカ合衆国ボストン在住の英語母語話者20名に参加してもらった。 25年度は、24年度での調査中、一部実験プログラムの修正を行ったため、さらに日本人20名のデータを収集した。また、予備実験の結果を大学英語教育学会第52回国際大会で発表した(25年8月京都大学)。24年度、25年度の前期で収集したデータを後期に統計処理、分析を行い、国際学会発表へ応募した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備調査となる実験Iの同定課題では、発話による無意味語の刺激音作成が困難であることがわかったため、当初の音韻配列構造をCVCからCVへと変更し、Vの知覚を調査した。今後、人工的にCVCの音韻配列をもつ無意味語を作成することが課題として残った。探知課題に関しては予定通り、調査、分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
24年度でデータ収集、25年度で分析及び、予備実験の発表を行ったので、26年度は本調査の結果を国際学会で発表する予定である。その後、学会でのフィードバックをもとに論文を執筆する予定である。 26年9月18日~20日にデンマークで開催されるBias in Auditory Perceptionの国際会議に出席するため、旅費40万円を計上する。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査旅費として24年度と25年度をまたがり、25年度分の海外調査旅費、および25年度の国内(京都大学)旅費を計上したが、高速バス等、安価な交通手段を利用したため584円の残金が出た。 26年度の国際学会での発表のための旅費の一部としたい。
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