本研究の目的は、日本人英語学習者がどのように単語分節能力を発達するかを明らかにすることにある。特に、これまで母語の音節構造が分節能力に影響を与えるとの報告もあることから、第二言語における音節構造の習得が目標言語の単語分節能力と相関関係にあるのではないかと予測した。一方、初級英語学習者にとっては、音韻配列の生起制限が第二言語学習者の言語処理に影響を与えると考えられるため、この予測を検証した。 24年度は、日本語の音素配列の単語と英語の音素配列の単語を使用して、日本人英語学習者、および英語母語話者に探知課題を行った。実験音声を録音し、心理学実験ソフトE-プライムを用いて実験プログラムを作成した。英語初級学習者、上級学習者、および英語母語話者に対して探知課題を行い、データを収集した。英語初級学習者グループは県立広島大学学部生20名から構成され、上級学習者グループとして、広島県および北海道在住の主に大学の英語教員(日本人)19名が参加した。また、英語母語話者は米国英語話者を対象とし、主にアメリカ合衆国ボストン在住の英語母語話者20名に参加してもらった。 25年度は、24年度での調査中、一部実験プログラムの修正を行ったため、さらに日本人20名のデータを収集した。また、予備実験の結果を大学英語教育学会第52回国際大会(25年8月京都大学)で発表した。24年度、25年度に収集したデータを統計処理、分析を行い、国際学会発表へ応募した。 26年度は本調査の結果を第28回日本音声学会全国大会(2014年9月)および国際学会Bias in Auditory Perception(デンマーク2014年9月)で発表した。また、学会でのフィードバックをもとに論文を執筆し、国際誌に投稿した。
|