研究課題
基盤研究(C)
明治期の日本で英語教科書として用いられた英語の原書(文典,綴字書,読本,万国史など)を学ぶ助けとして,「独案内」「直訳」「講義」などの独習書が多数出版された。明治期前半の「独案内」「直訳」では,英文の訳が「直訳風」であるのに対し,「講義」が出版される後半に入ると,こなれた訳文への変化が見られる。英文を行きつ戻りつ訳す際,2度にわたって訳語を当てはめる語(漢文訓読法の「再読文字」に相当)の扱いが変化していることが原因の一つである。本研究では,こうした訳読法変遷の一端を明らかにした。
英語教育史